「GeForce GTX 780」はどれだけ速い? パフォーマンスを徹底検証7970との比較も(3/3 ページ)

» 2013年05月23日 22時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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ゲームタイトルのベンチマーク結果も良好

 実ゲームタイトルでの比較は、今回からSkyrimとJust Cause 2を外し、Bioshock Infiniteとトゥームレイダーを追加した。どちらもDirectX 11タイトルであり、ハイエンドGPU向きだ。

 まずDirectX 9のゲームタイトルから見ていこう。バイオハザード6は、ハイエンドGPUにとって重いゲームではない。ただし、GeForce GTX 780の優位性はしっかりと出た。次にファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編では、GeForce GTX 680とRadeon HD 7970がほぼ同等のスコアを出しているのに対し、GeForce GTX 780だけが頭1つ飛び出している。

バイオハザード6

 次にDirectX 11系ゲームタイトルへ移ろう。まずはバトルフィールド3。こちらは1280×720ドットではGPU以外の部分でボトルネックが生じ、一定のフレームレートで頭打ちになりがちだ。そこで1920×1080ドット、2560×1440ドットで見ていくと、解像度が高くなるにつれ、GeForce GTX 680とRadeon HD 7970の差は(相対的に)小さくなる一方、それらのGPUとGeForce GTX 780との差は開いているように見える。そしてGeForce GTX 780は2560×1440ドットで60fpsを超えた。WQHD液晶でバトルフィールド3を存分に楽しみたいなら、GeForce GTX 780を狙いたい。

バトルフィールド3

 Bioshock Infiniteでも、2560×1440ドットで唯一GeForce GTX 780が60fps以上を記録した。ほかの解像度でも、頭1つ飛び出す結果を残している。トゥームレイダーは、どこかファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編に似たfpsの傾向になり、1920×1080ドット、2560×1440ドットにおけるGeForce GTX 680とRadeon HD 7970がほぼ同じスコアになっている。

 ただし、GeForce GTX 780に関しては、これらに比べて良好なスコアを記録した。さすがのGeForce GTX 780でも2560×1440ドットのUltimate画質では60fpsを満たすことができなかったが、1920×1080ドットなら余裕をもって楽しめる。

Bioshock Infinite

トゥームレイダー

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編

 消費電力では、GeForce GTX 780がリファレンスカード、ほかのGPUはOCモデルということもあり、アイドル時ではGeForce GTX 780が一段低い値を出している。一方、3DMarkのCloud Gate実行中の値は、GeForce GTX 680と比べ約50ワット増となった。

 なお、3DMarkのIce StormのPerformance〜Fire StrikeのExtremeまでのベンチマーク実行中にGPU-Zから各種ログを計測してみたところ、GeForce GTX 780の最大クロックは1006MHzとなった。また、GPUクロックが定格クロック以上の状態のみを抽出して平均をとったところ992.9MHzとなり、Boostクロックよりもかなり高いクロックで推移していたことになる。この辺りはGeForce GTX TITANにおけるGPU Boost 2.0検証と同じ傾向だが、その際の平均クロックは980.7MHzだった。

3DMark実行中の消費電力の推移

ちょっと高い……けどWQHD液晶における価格性能比の最適解か

 GeForce GTX 780は、GK110コアを採用したことで、GK104コアだった従来のハイエンドGeForceとは次元の違う性能を得た。特に2560×1440ドットで60fps、1920×1080ドットで120fpsを超える、あるいは迫るパフォーマンスを見せた点で、WQHD液晶ディスプレイや120Hz駆動液晶ディスプレイを入手した人がそのディスプレイをフルに活用したい場合、GTX 780はよい選択肢になるだろう。

 GeForce GTX TITANが存在するため、GTX 780はあくまでGK110コアの中では下位のGPUであるとはいえ、GeForce GTX TITANがそれまでのデュアルGPUカードのようなポジションにある現状で、GeForce GTX 780カードは“相対的に手の出しやすい製品”と言える。そこで気になるのが価格だが、GeForce GTX 780は、8万円台半ばが予想されている。

 これまでx80型番のビデオカードは3世代続いて5〜6万円台だったため、割り高な印象は否めない。ただし、コアの違い(製造コストや歩留まりなどに関わる)による差は確実で、これに円安の影響も多少はあると思われる。

 そしてその歩留まりも懸念材料の1つだ。GeForce GTX TITANの流通量が現状で少ない理由が、歩留まりの悪さに起因するのか、あるいはプレミアGPUというポジショニングのためなのか。その答えはGeForce GTX 780の流通量から見えてくるかもしれない。どちらにせよ、当初の流通量はそう多くないだろう。争奪戦は必至だ。

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