バッテリー動作時間は海人氏のBBench 1.01を利用して測定した。無線LANで常時接続し、Bluetoothオン、電源プランは「バランス」(ディスプレイの輝度は40%)を使用し、照度センサーによる「画面の明るさを自動的に調整する」オプションは無効にしている。BBench 1.01は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定。WebブラウザはInternet Explorer 10を指定し、タブブラウズはオフにした。
テストの結果は、バッテリー残量が5%で休止状態へ移行するまで、タブレットのみで6時間7分、ドッキング状態で5時間1分だった。カタログ値とは逆にドッキング状態の方が短くなったが、これはカタログ値の計測がキーボードドックのHDDやインタフェースを無効にして動作時間を優先する「Battery Up」モードで行っており、本計測ではBattery UPを無効にしたためだ。タブレットのみではほぼカタログ値どおりの動作時間であり、ディスプレイのサイズなどを考慮すれば十分健闘しているといえる。
通常、電源管理はASUS独自の電源プランが利用され、バッテリー動作時は「Power4Gear PowerSaving」となるが評価機の設定が、CPU性能60%、ディスプレイ輝度100%という内容で、バッテリー動作時間の測定には適切でないと判断したため、今回はOS標準の「バランス」でテストを行った。
動作音は、低負荷時でもファンの回転が分かる程度の音はするが、高い負荷をかけてもそれほど大きくならない。電源プランのPowerSavingを選択したときは高負荷でも十分に静かだ。発熱はディスプレイ裏面の左上を中心にじんわりと熱を持ち、3DMark実行時には最大で37度になった。タブレットスタイルの際に横位置で持つ部分については、左端の下部が33度になるのが最高だった。
電源プランをPowerSavingにした場合は最大で34度、左端下部は32度前後と少し温度が下がり、若干暖かみを感じる程度になる。もちろん電源プランにかかわらずキーボード側はほとんど熱を持たない。
13.3型ワイドという画面サイズはモバイルノートPCではごく一般的だが、ディスプレイ部分だけ取り出して手元に引き寄せると、大きさが際立つ。Ultrabook並のパフォーマンスは備えており、タブレットとしての使用感は実に新鮮だ。
パフォーマンスを優先した分重くなり、携帯性を重視する用途には不向きといえるが、これまでにない新しい可能性を感じる製品だ。少人数でのミーティングなどでは視野角の広い大きなディスプレイが大いに活躍しそうだ。
キーボードドック装着時のノートPCとしても完成度は高い。13.3型クラスでフルHD表示のIPS液晶を搭載している製品はまだ少ないだけに、画面の見やすさ、美しさという点でアドバンテージがあるほか、画面に触れてタッチ操作できるという点もWindows 8 PCとして使い勝手のよさに貢献している。
上位モデルが14万円前後、下位モデルが10万円前後とスペック相応の値段ではあるが、充実したインタフェース、セカンドストレージとしてHDDを搭載するなど、メインのPCとして使える装備も魅力で、さまざまな用途に活用できる。
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