NASを家庭で使用する場合の形態はいくつか考えられる。
1つは家族それぞれが各々のPCのディスクを増設したい、という場合。1台のTurboNASに集約させればディスク容量を効率よく使うことができる。アルバムの写真やメディアファイルなど、家族全員で共有したいファイルを置くフォルダと、自分専用としてほかの人からは見られないフォルダの両方を管理できる。この場合は全権を持つ管理者のほかに、家族それぞれに限定的な権限となる一般ユーザアカウントを発行する。
もう1つは、ユーザーは1人ながら、複数のデバイス間で共有したい、という場合だ。この場合は管理者権限を持つAdministratorsグループとしてユーザーアカウントを作成してもいいだろう。
TS-220の最低限の設定が完了した段階ではまだ管理者のアカウントしかないため、どちらにしても自分自身のユーザーアカウントを作成することになる。Windowsにログインするときのアカウント/パスワードと共通のものを使用すれば、分かりやすいだけでなく利用の際に認証情報を入力する必要もない。
QfinderからTurboNASを選択してダブルクリックすると、管理インタフェースのログイン画面が開く。アカウント名adminとセットアップ中に設定したパスワードでログインするとQTS4.0のデスクトップにクイックスタートが表示される。TurboNASで何ができるか、一通り見ておくといいだろう。
ユーザー登録はコントロールパネルから行う。デスクトップ左上のアイコンをクリックするか、上部のタスクバー左端のメインメニューボタンで開くメニューから起動する。コントロールパネルの「ユーザ」をクリックし、「作成」ドロップダウンリストから「ユーザの作成」を選ぶ。


ログイン画面。デフォルトでは管理者のアカウントはadmin(画面=左)。QTSの画面。一般的なデスクトップ環境に似ている(画面=中央)。メインメニューボタンか、コントロールパネルアイコンからコントロールパネルを開き、「特権の設定」の下のユーザーを選択(画面=右)

「作成」ドロップダウンリストから「ユーザーの作成」を選択(画面=左)。ユーザーの作成は確認含めて9ステップ。順番に進めていけば難しくない(画面=中央)。ユーザー情報の設定。通知メールを送信するようにしておくとユーザー名・パスワードがメールで送信される。自分自身だけの場合は不要だろう(画面=右)

ユーザーグループの割り当て。administratorsは管理者権限を持つグループ(画面=左)。個人共有フォルダは自分だけが利用できるフォルダ。ここで作成しなくてもhomeフォルダは作成される(画面=中央)。共有フォルダへのアクセス権限。ROは読み取り専用、RWは読み取り/書き込み両方、Denyはアクセス不可(画面=右)デフォルトで作成されるフォルダは次の通りだ。
BitTorrentやHTTP/FTPでダウンロードを行うアプリケーション「DownloadStation」がファイル保存用に使用する。
アカウントごとに作成される、ユーザー専用のフォルダ。
各ユーザーのhomeの実体が置かれるフォルダ。
メディアファイルを共有するためのフォルダ。ここに置かれたファイルはPhoto Station、Music Stationなどからもアクセスできる。
全員が読み書きできる共有フォルダ。
PCのローカルディスクと同期を取るアプリケーション「Qsync」が使用するフォルダ。
ネットワークカメラやWebカメラを用いた監視カメラシステム「Surveillance Station Pro」の録画ファイルが保存されるフォルダ。
TurboNASのUSBポートに挿したストレージ。
Webサーバ機能を有効にした場合のドキュメントルートフォルダ。
ユーザーが作成できたらエクスプローラのネットワークからTS-220にアクセスするか、Qfinderから右クリックメニューで「ネットワークドライブの割り当て」を行えばネットワークドライブとして利用できるようになる。
さて、次回はNASの最も一般的な用途であるファイルサーバとしての活用法を見ていこう。
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