IDF 2015では“さらり”と触れる程度だったが、IFA 2015のプレスカンファレンスでは「ワイヤレス化」への取り組みをクローズアップした。2015 CESでアピールしたパスワードを使わない顔認証ソリューション「TrueKey」も改めて紹介している。
TrueKeyは、顔認証でOSやWebアプリケーションへのログイン動作をパスワードなしのハンズフリー状態でできるソリューションだ。現在はβ版を15カ国で配布している。顔認証の利用にあたっては、RealSense 3Dカメラのような3Dカメラを組み合わせるのが効果的としている。これは3Dカメラに映った顔の立体構造を取得し、その頂点情報を利用して正確な認証を行うためだ。
MicrosoftはWindows 10で「Windows Hello」という生体認証を導入したが、3つの認証方法の中に「顔認証」が含まれており、RealSense 3Dカメラを用いることで、パスワード入力なしでデスクトップへのサインインが可能になっている。IFA 2015のプレスカンファレンスでは、双子でもRealSenseとWindows Helloが2人を見分けることができるのをデモで示した。

Windows 10との連携もアピールする。4Kディスプレイ3枚を組み合わせたゲームを、Windows 10標準の機能で動画記録可能となっており、これをSNSやTwitchのような場所に投稿することも容易にできる
新世代のPCにおける取り組みを紹介。RealSense 3DカメラとTrueKeyのソリューションで、パスワードを使わない顔認証の仕組みをアピール。双子の女性でRealSense 3Dカメラを搭載したPCにWindows 10の「Windows Hello」を使ってサインインする。双子のうち片方のみが顔情報を事前登録されており、Windows Helloがきちんと双子を見分けてサインインに成功しているIntelは「Thunderbolt 3」や「USB Type-C」といった高速な有線通信規格を推進する立場にいる一方で、モバイル利用における「ワイヤレス化」を強く推進する立場にもある。WiDiによるワイヤレスディスプレイ接続技術を4K動画再生でアピールしていたほか、A4WPのワイヤレス充電のメリットも強調していた。

IDF 2015ではあまりアピールしなかったIntelのワイヤレスへの取り組み。WiDiによる2画面への同時4K動画投影で、実際にワイヤレスでデータを送信していることを示すために、動画ソースとなっているタブレットをスカウゲン氏が手に持ったままステージ反対側へと移動すると、接続が切れて画面がブラックアウトする
A4WPのワイヤレス充電もアピール。机の裏に充電コイルを配置した専用装置を取り付けておけば、机の少し離れた位置に複数のデバイスを置くだけで充電ができる。スカウゲン氏が持つのはA4WP充電が可能な充電コイルを搭載したASUSTekのタブレットだどちらも広く普及するにはまだ時間がかかりそうな技術ではあるが、A4WPの充電に対応するコイルを内蔵したASUSタブレットを紹介するなど、RealSense 3Dカメラと同様に、少しずつ採用例が増えつつあることをIntelはアピールしている。おそらくは、Windows HelloにおけるRealSenseの組み合わせのように、あるタイミングで有効なアプリケーションや用途の登場で、普及が一気に進むことになるのかもしれない。
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