「ピクチャ・イン・ピクチャ」は、「ビデオ」アプリで再生中の動画を子画面でオーバーレイする機能だ。映画を見ながらメッセージに返信する、何か作業をしながらミュージックビデオを流すといった“ながら視聴”ができる。
子画面のサイズはピンチイン/アウトで2段階に調節できるが、iPad Air 2のサイズだとデフォルトの縮小サイズは、字幕は判別できるもののかなり小さく、きちんとした視聴には向かない。
ちなみに子画面の固定位置は、基本的に四隅。指でビデオをすっとドラッグすれば、画面の中央付近を避けて固定される。少し面白いのが、メイン画面のアプリや状態によって子画面の固定位置が絶妙に計算されている点だ。メイン画面のUIを極力じゃましない位置に移動してくれるので頻繁に子画面を動かさずにすむ。

メイン画面のレイアウトに応じて子画面の位置が自動的に調整される。同じ右上に置いても上にホーム画面とSafariで固定される位置は微妙に違う。また、ソフトウェアキーボードを呼び出すと下に固定されていた子画面がキーをじゃましない位置に動く今後、ピクチャ・イン・ピクチャに対応したサードパーティ製アプリが増えれば活用の幅は一気に広がりそうだ。
今回iPad向けに実装されたiOS 9の新機能のうち、Split ViewはiPad Air 2、iPad mini 4、iPad Proに対応しているが、画面を分割して2つのアプリを同時に実行するという使い方は、12.9型サイズのディスプレイを備えながらモバイルOSを搭載するiPad Proを想定した機能という印象を受ける。フルのWindows 10が動くマイクロソフトの「Surface Pro 3」を意識した部分もあるだろう。
iPad Air 2で試用した率直な感想としては、確かに便利な場面はあるものの、それほど多用する機能ではないように感じた。より画面の小さいiPad mini 4ではさらに限定的な使い方になるかもしれない。ただしこれはあくまでも現時点での感想であり、今後の対応アプリ次第で評価は大きく変わってくるはずだ。
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