富士通からPC事業を分社化して2016年2月に発足した富士通クライアントコンピューティング。同社にとって初めての製品説明会が、5月16日に行われた。説明会では、同日に発表された個人向けPCの新製品のほか、4月21日に発表された法人向けPCの新製品が披露された。
2016年夏の個人向けFMVは、ノート・デスクトップともに普及価格帯を担うベーシックモデルの刷新が主なポイント。さっそくチェックしてみよう。
「LIFEBOOK AH42シリーズ」は、15.6型ワイド画面のLIFEBOOKのベーシックモデルという位置付けだ。2016年夏モデルではAH42シリーズのCeleronモデルが刷新され、「LIFEBOOK AH42/Y」として登場した。
AH42/Yはボディーデザインを刷新。Core iシリーズのCPUを搭載する上位機種「AH45/X」(参考記事)と同じ外観となった。ボディーカラーはシャイニーブラック、ルビーレッド、プレミアムホワイトの3色を用意する。
具体的には、キーボード周辺が大きく変更されている。まず、キーボードユニットがボディーの内側からはめこむ形態に変更された。これにより、見た目が洗練された。また、キー自体も、押す指に合わせて重さを最適化する「3段階押下圧」、キートップに丸みを持たせる「球面シリンドリカルキートップ」、キーの奥側から手前側にかけて傾斜を持たせる「ステップ型キートップ配置」を採用することで文字の打ちやすさを向上している。「キーボードはPCでも一番使う部分。エントリー向けモデルでも上位モデル並みの打鍵感を実現」(説明員)した。
また、内蔵スピーカーがオンキヨー製となり、設置位置をキーボード上に変更したことで見栄えと聞き取りやすさを向上した。また、ハイレゾ再生対応のイヤフォン出力端子も備えているので、ハイレゾ認証に合格したヘッドフォン・イヤフォンを接続してハイレゾ音源を楽しむことができる。なお、スピーカーはハイレゾ再生に対応していない。
「ESPRIMO FHシリーズ」は、23型ワイド液晶を搭載する一体型デスクトップパソコンだ。「ESPRIMO FH53/YD」は、地デジ・BS・CSデジタル対応のテレビチューナーを2つ搭載した普及モデルという位置付けだ。
2016年春モデル「ESPRIMO FH53/XD」(参考記事)ではモバイルPC用CPUであるCeleron 2950M(2GHz、2コア2スレッド)を搭載していたが、FH53/YDではデスクトップPC用のCeleron G3900T(2.6GHz、2コア2スレッド)を搭載している。
液晶一体型デスクトップPCでは、モバイルPC向けのCPUやマザーボードを利用することも珍しくない。しかし、FH53/YDでは「価格を抑えつつ、パフォーマンスを向上する」(説明員)手段として、あえてデスクトップPC用CPUを採用した。その効果はてきめんで、同世代のモバイルPC用CPU(Celeron 3855U)と比較して約1.6倍のパフォーマンスを確保できたという。
テレビ機能はHDコンテンツの著作権保護技術「SeeQVault(シーキューボルト)」に対応し、録画した番組をSeeQVault対応のストレージに書き出せるようになった。市販のSeeQVault対応microSDを用意すれば、多くのAndroid端末で録画した番組を外出先でも楽しめる。
今回紹介した2機種は5月19日から順次販売を開始する。家電量販店での展示も予定しているので、PCの購入を検討している人は、ぜひ足を運んでみてほしい。
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