PCのトレンドに敏感なユーザーが気になる部分としては、新型Surface ProとSurface Laptopともに「USB Type-Cポートを搭載していない」ことが挙げられる。この疑問をオストラム氏にぶつけたところ、「現在のデバイスをとりまく事情はUSB Type-Aが中心になっていることが理由の1つ」という。
一方で、Type-Cに対するニーズがあることも同氏は認めている。そのため、2017年末までにSurface Connectポート(ACアダプターと周辺機器の専用接続端子)向けのType-Cアダプターを提供する計画があると述べた。
同氏はType-Cにおけるニーズは「電源」「データ」「動画(ディスプレイ出力)」の主に3つがあり、Surface Connectはこのニーズを全て満たしていると説明する。将来的にType-Cポートを標準搭載するかについては「ノーコメント」としており、SurfaceユーザーがType-Cを利用したい場合、当面はこの変換アダプターを利用することになりそうだ。
新型Surface Proの大きな特徴として「LTE-Advanced」内蔵モデルの登場が挙げられるが、発売は2017年の秋以降になるという。その理由は「認証プロセス」にあるとの説明だ。日本と米国を含む各地域での具体的な提供時期については現時点でコメントできず、あくまで「今後数カ月以内」と述べるにとどまった。
新型Surface ProではSurfaceペンも進化し、傾き検知や4096段階の筆圧検知に対応している。ここで気になるのが、Surface Pro 4など旧機種で新しいSurfaceペンを使った場合に4096段階の筆圧検知が可能なのか、という点だが、パナイ氏は「今後のファームウェアアップデートでの対応」を表明した。提供までに時間はかかるとみられるが、旧機種のユーザーには朗報だろう。
Surface Laptopにプリインストールされる形で、今回同時に日本国内へ投入されることになる新OS「Windows 10 S」についてもオストラム氏に聞いてみた。同OSの狙いについては、「より強力なセキュリティ、より高い安定性、より強い堅牢性を提供できる」点をアピールしている。
例えば「ブロートウェア(Bloatware)」というWindowsを肥大化させて安定性やパフォーマンスを損なう仕組みが従来のデスクトップアプリケーションには存在しているが、UWP(Universal Windows Platform)でパッケージ化されたアプリであればこうした心配が一切なく、子どもやコンピュータにあまり詳しくないユーザーにWindows PCを扱わせるうえで、セキュリティ上の安心感も得られる。
そのため、WindowsストアからダウンロードするUWPアプリしかインストールできない仕様のOSであっても、Webブラウズやメール、Officeなどで作業を行うほとんどのユーザーにとって、Windows 10 Sは十分にすすめられると同氏は強調した。Windows 10 Sには高速起動というメリットもある。
一方で、そのターゲットは主にコンシューマーを視点としたもので、エンタープライズ分野についてはその限りではないという。ただ、もし企業のIT管理者がそのニーズを満たすものであると判断すれば、最適なソリューションになるだろうとも付け加えた。
Windows 10 Sは強力な管理機能を備えているものの、あくまで教育用途を想定した仕様と考えるのが妥当なのかもしれない。
ちなみに、Windows 10 SはSurface Laptopにプリインストールされるが、2017年内は無料でWindows 10 Proにアップグレードできる。用途に合わせて、どちらか好きな方のOSが使えるというわけだ(ただし、Windows 10 Proから10 Sにダウングレードすることはできないという)。
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