米Microsoftは4月27日(米国時間、以下同)、Windows 10の大型アップデート「April 2018 Update」を発表した。2018年4月30日に無料ダウンロードで配信を開始する。
これまで「Redstone 4(RS4)、バージョン1803」と呼ばれてきたWindows 10の大型アップデート。同社はWindows 10大型アップデートの提供時期を3月ごろと9月ごろ(一般ユーザー向けの配信は4月ごろと10月ごろ)の年2回に固定しており、今回のApril 2018 Updateは2017年10月17日に一般ユーザー向け配信を開始した「Fall Creators Update」に続く大型アップデートとなる。
April 2018 Updateは一般ユーザー向け配信を前に発覚したバグ問題により、一部では4月中の配信開始が危ぶまれていたが、何とか4月末に間に合った格好だ。
同社によると、クリエイティビティの発揮をテーマに「Creators Update」と名付けた過去2回の大型アップデートに対して、April 2018 Updateは「プライベートや仕事において、ユーザーが大切にしていることのために使える貴重な“時間”をさらに作り出す」ことに注力したという。
それを象徴する新機能が「タイムライン(Timeline)」だ。Windows 10搭載PCで行った作業を当日、先週、数週間前など、過去30日までさかのぼって時系列でたどって再開できる。また、Microsoftアカウントにサインインした状態であれば、iOSやAndroidデバイスからEdgeやOffice 365で行った作業を、Windows 10搭載PCに切り替えて再開することも可能だ。
これにより、「ドキュメントを作成したのに、メールやフォルダをいくら探しても見つからない」や、「以前に見たお気に入りの写真や動画をどこに保存したのか覚えていない」といった探し物にかける時間を大幅に削減できるという。もともとはFall Creators Updateに搭載される予定で搭載が間に合わなかった機能だが、April 2018 Updateでようやく使えるようになった。
ユニークな新機能としては、作業の集中を阻害しがちなSNSの利用を抑制する「集中モード(Focus Assist)」も搭載する。これをオンにすると、SNSの通知が止まるので作業に集中できるという。オフにすると、オンにしている間に届いていた通知、メール、最新情報などがまとめて表示される。集中モードはタイマーで自動的にオンになるよう設定できる他、特定の人からの電話やメールは受け付けるといった設定も可能だ。
Edgeブラウザも強化した。作業への集中に関しては、ブラウザにオーディオアイコンが加わり、音声が再生されているタブをミュート、ミュート解除に設定できるようになっている。
また、書籍、PDF、読み取りビューの全画面表示、Web支払いフォームの自動入力オプションにおける住所、支払い情報、その他の情報のより安全な保存(セキュリティコードCVVの情報は保存しない)、印刷物から不要な情報を排除する新しいWebページの印刷オプションなどに対応した。
Windows 10搭載PCのインターネット常時接続環境を推進する同社の「Always Connected PC」構想もアップデートした。
従来の「モバイルプラン」は、データプランの決済をMicrosoftストアで行う仕様だったが、新たな「モバイル通信プラン」では通信事業者が提供するサービスで決済できるようになった。これにより、世界各地の通信事業者が同プランを利用しやすくなる。モバイル通信プランはeSIMにも対応し、海外でもSIMカードの入れ替えなく、Webから登録作業を行うだけでLTEを利用可能だ。
日本語固有の機能としては、元号の扱いをアップデートした。新元号となる2019年5月に先立ち、各元号の期間を保持しているレジストリが更新される。現時点で新元号の名称が不明なので、今回更新されるレジストリでは2019年5月1日以降の年号を「??」として扱う。
また、日本語IMEの予測入力候補に「住所」と、日本マイクロソフトの女子高生AI「りんな」の候補を表示できるようになった。デフォルトではオフになっており、設定の変更により利用できる。
この他にも、法人向けのシンプルなIT管理ツールや、写真、3D、Windows Mixed Reality(MR)を使った新機能、オンラインの安全強化、PCゲーム体験の向上といったアップデートが含まれる。
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