以上2つの設定を行えば、電源オン・オフの場合は「Alexa、エアコンをオンにして(オフにして)」というシンプルな音声コマンドで、運転モード切り替えや温度調整の場合は「Alexa、“家電リモコンを使って”冷房を26度にして」というやや長い音声コマンドで、それぞれ操作が可能になるというわけだ。
ちなみにカスタムスキルについては、対話式での操作にも対応している。具体的には「Alexa、家電リモコンを開いて」と呼び掛け、まず「スマート家電コントローラ」を起動する。すると音声ウィザードが起動して「何をしますか」と問いかけてくるので、そこであらためて「冷房を26度にして」「電源をオフにして」などと指示を行うのだ。
こちらの方法であれば、音声コマンドを忘れていて呼び掛け方が分からなくとも、「スマート家電コントローラ」側から選択肢を教えてくれるので、高い確率で目的の操作まで到達できる。音声コマンドが覚えきれなければ、こちらの方が便利かもしれない。
いずれにせよ、他のスマートリモコンでは、スマートホームスキルとカスタムスキル、どちらかにしか対応しないことがほとんどなので、基本操作のほとんどが音声で行えるRS-WFIREX3は貴重な存在だ。
ただし問題が大きく分けて2つある。1つは家電リモコン自体のセットアップも含めて、設定手順が複雑、かつ難解であること。そしてもう1つは、音声で呼び掛けてから、実際に信号が送られて家電製品が反応するまでに、かなりの間があることだ。
特に後者は、呼び掛けて一拍置いて「あれ? 音声コマンドを認識してくれなかったのかな?」と首をひねろうかというタイミングで「ピッ」という音がして運転が始まるなど、数秒ものブランクがある。ひどい場合は「エアコンから応答がありません」という回答がAlexaから返ってきて、その直後に運転が始まることすらある。
これはどうやらクラウドの接続先が海外にあることが原因のようで、少なくとも現時点では、きびきびと動かしたいというニーズには向いていない。たとえ遅れても100%反応するのなら気長に待っていればよいが、まれに本当に反応しないこともあるので困りものだ。
といったわけで、機能自体は優秀ながらも使い勝手が大きな課題、というのがRS-WFIREX3の評価になる。「対応している」と「快適に使える」の違いを、これだけ実感できる製品も珍しい。ポテンシャルはあるのだが、本筋と違うところで損をしている格好だ。
なお、RS-WFIREX3はGoogle Homeにも対応しており、エアコンの操作においては、むしろそちらの方が快適に使える印象だ。次回はGoogle Homeと組み合わせて使う場合の手順を紹介する。
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