思わず衝動買いをした「GPD P2 Max」の出会いと別れ持ち歩きたくなる8.9型の超小型PC(2/3 ページ)

» 2020年02月19日 12時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]

想定以上に苦労した文字入力

 注文した製品は9月に届く予定だったため、「10月くらいかなー」とのんきに構えていたところ、なんと予定より早い8月末にそれは来た。

GPD P2 Max 8月末に届いたGPD P2 Max。何のロゴも入っておらず、主張しすぎないところが良い。上位モデルはブラックだが、下位モデルはシルバーと外装が異なる

 かくして、LAVIEに続いて2カ月連続で新しいPCを手に入れたわけだが、開封の儀もすっ飛ばすほど、興奮しながら開封し、セットアップを開始したところ、早速つまずいてしまった。WindowsにログインするためにMSNアカウントを入力しようとしたところ、なんと、「_」(アンダースコア)がキーボードにないのだ。これではセットアップが終わらない。

GPD P2 Max アンダースコアが見当たらない。英語圏の人はなくても構わないのだろうか

 仕方がないので、外付けキーボードを有線でつなげてログインし、外すのも面倒なのでそのままセットアップを完了させた。

 この段階で違和感を覚えたのだが、「キーボードが英語配列だから仕方ないよね。付けてくれた日本語キートップシールを貼れば大丈夫だよね」と脳天気に構えていた。

 ところが、Windowsの「時刻と言語」設定からキーボードレイアウトを日本語に変えてみても、付属のシールの“刻印”と入力される文字が異なる。そもそも筆者はかな入力派で、モバイルキーボードを使う際には、右手の小指が受け持つ「ろ」「む」「め」などの(別の箇所へ追いやられるという)迫害に耐える日々を送ってきたが、これではそれどころの次元ではない。

 指が覚えているキーの場所と異なるから、目で確認する必要があるのに、それすらできない。「ろ」を入力するため、FnキーやCtrlキー、Shiftキーなどを総動員しながら右手小指が入力できる範囲のキーを片っ端から試してみなければならないのだ。

 また、「冷却ファンの音がうるさい」「使っているとボディーが熱くなりすぎる」という評判通り、手元のモデルもうるさくて熱い。結局、キーの場所を覚えるまで外に持ち出すのを控えることにした。

GPD P2 Max 非常に耳障りな底面にあるファン。静かな図書館では使えないレベルの騒がしさだ

 一方、キーボードや熱については残念だったが、予想以上に良いところもあった。

 例えば、指紋センサー兼用の電源ボタンだ。ちょうど指の腹が収まるサイズ感のため、無駄に指を滑らせるという動作をしないで済む。LAVIEも指紋センサー兼用の電源ボタンを採用しているが、細長い楕円(だえん)形なので、起動すべくボタンを押し込む際、つい指を滑らせてしまう。そんな必要はないのに。

 また、ディスプレイも予想外に「使える」と感じた。実は、某メディア内にいたときに、UMPC好きな先輩がおり、7型や、8型のディスプレイと常ににらめっこをしているのを、「あれだけ小さいと、目が疲れるだろうし、何より小さすぎて見えないだろう」という感想を抱きつつ眺めていた。

 ところが、GPD P2 Maxを使い始めてから、その考えは間違いだと感じるようになった。小さなディスプレイでもデータの表示量は多く、しかも高精細。通常のノートPCを見るのと同じ距離を保っていても十分に“見える”と感じた。

 キーボードさえ何とかなれば、当初の目的を果たせるだろうと思っていたところ、9月後半に入ってから、キーボードとタッチパッドのアップグレードプログラムが配布された。ダウンロードしたかったのだが、その翌日から長期の取材旅行に出ることが決まっていたため、「待て」を食らうことになってしまったのだ。

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