以上のように、Google Nest Hub Maxを使ったオンライン帰省は、操作そのものは簡単だが、セットアップはお世辞にも簡単とは言い難い。設定用のスマホも込みで実家に送るのならもう少し簡略化できるが、それならばGoogle Nest Hub Maxは不要で、Google Duoセットアップ済みのスマホまたはタブレットを送った方が手っ取り早い。
これがEcho Showだと、同一アカウントに登録された特定のデバイスをピンポイントで呼び出す「呼びかけ」という機能があるため、自分のアカウントにEcho Showを登録してから実家に送るだけで、内線電話のように会話できる。実家用にAmazonアカウントを用意する必要すらない上、Wi-FiのSSIDもスマホを使わず本体側で変更できる。圧倒的に簡単だ。
さらにEcho Showの「呼びかけ」は、電話のコールにあたる概念がなく、応答の操作を行わなくとも自動的につながるという、ITが苦手な人にはぴったりの仕様だ。一方のGoogle側にはこういった機能はなく、毎回電話と同じように応答が必要になる。このあたりも若干ハードルが高い印象だ。
またGoogle Nest Hub Maxは、前述のようにGoogle コンタクトの「連絡先」を通話先として取り込むのだが、ここはGmailでやりとりした全アドレスが取り込まれてカオスな状態になっていることも多い。本製品でビデオ通話にはふさわしくない相手までが通話先のリストにずらりと表示されるのは、かなりお節介な印象だ。

スマホで連絡先のアップロードを行うと、Googleコンタクトのスマホのアドレス帳までもアップロードされる(画像=左)。あらゆるところから連絡先の候補をかき集めてくる印象だ。「アカウントに基づく情報の許可」にチェックが入っていなければ連絡先はアップされないが、その場合はそもそもビデオ通話が無効になってしまう(画像=右)総合的に考えると、Google Nest Hub Maxで実家とビデオ通話をするならば、セットアップ済みの機材を送りつけるのではなく、自身で足を運んでセットアップするのが無難だろう。その場合も、スマホも併せて置いてくるか否か、ルーターはどうするか、悩むポイントはいくつもある。あるいはGoogle Nest Hub Maxは手元に置いて使い、実家にはスマホやタブレットを送ることも、視野に入れて考えるのがよさそうだ。
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