クリエイティブ系アプリの性能も試した。アドビのLightroom Classicでは、4240万画素のRAWデータ100枚に現像パラメーターを設定してJPEGで出力する時間を計測したところ、比較用の自作PCと全く同じ時間で終わった。
Premiere Proでは、8本の4Kクリップで構成した約5分のプロジェクトの出力時間(H.264、ハードウェアエンコーディング)を計測した。こちらは、よりGPUを利用しているためか比較用PCより少し時間がかかった。
これだけのパフォーマンスを持ちながら、動作音も抑えられている。アイドル時は動作していることが分かる程度の音で、高負荷時でもCINEBENCHやLightroom Classicの現像出力のように、GPUをさほど使わない処理ではまだ小さい。FINAL FANTASY XIV Official Benchmarkなどのゲームをある程度長く続けると大きな音になるが、それでもまだファンのモーターの能力に余裕を感じる落ち着いた音だ。
発熱の処理も優秀で、放熱口があるヒンジ奥などは高い温度になるが、ゲーミングで利用する頻度が高いWASDキーやカーソルキー、パームレストといった部分に熱が伝わって来ない。
Lightroom Classicの現像出力は、比較用の自作PCと互角で、Premiere Proで約5分間の4Kプロジェクト出力(H.264、ハードウェアエンコーディング)では少し比較対象より時間がかかった
FINAL FANTASY XIV Official Benchmarkの終了直前にFLIR ONEで撮影したサーモグラフィー(室温は22度)。キーボードの中でもWASDキーやテンキー、カーソルキー周辺は温度が低く30度前後、パームレストは30度以下とクールに保たれている最新のRyzen 9 5900HXとGeForce RTX 3080を搭載したことによるノートPCの枠を超えるパフォーマンスに、プレミアムなデザインとイルミネーション機能、プレイフィールに直結する高速駆動液晶ディスプレイにオプティカルメカニカルキーボードの採用、Keystone IIのような独自のギミックなど、付加価値が満載だ。
フルHD解像度で高速駆動の液晶ディスプレイを搭載しているだけに、FPS、格闘系など競技性の高いゲームをプレイするeスポーツプレイヤーや、コアゲーマー向けの製品だけにライトゲーマーでは持て余すかもしれないが、そういった実用性とは別のところでも欲しいと思える色気にあふれている。
2月中旬〜下旬に発売予定で、直販のASUS Store価格は税込みで32万9800円だ。一般的なPCの基準からいえば高価ではあるが、高性能かつ高機能に加えて他の製品にはない付加価値を備えた唯一無二の存在だけに、欲しいと感じたならば購入しても後悔することはないだろう。
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