このスタンドを利用するにあたっては、注意点がいくつかある。このアームおよびスタンドの付け根はともに非常に固く、角度変更には付属の六角レンチでネジを緩め、角度変更後に再び締め直す必要がある。力任せに角度を変えようとすると、ディスプレイ自体が破損しかねないので要注意だ。
また、この六角レンチでネジを緩める時、反対側はスパナで固定する必要があるのだが、本製品にスパナは付属しないので、自前で調達する必要がある。コストの関係もあるだろうが、手締めのネジを採用するなど、もう少し調節が容易な仕様であればよかったように思う。
このようにネジで取り付ける構造ゆえ、1度取り付けてしまうと、気軽に取り外すのは難しい。使い始めるにあたってどちらかを選択できるだけで、今日はカバーを取り付けてモバイルユースで、明日はスタンドを合体させて据え置きでといった具合に、取っ替え引っ替え使うのが難しいことは、認識しておくべきだろう。
以上のように、モバイルディスプレイとしての機能そのものに突出した特徴はないが、スタンドが付属することで設置の自由度が高いことが、他製品との大きな差別化要因だ。何よりスタンド兼用カバーと据え置きスタンドが両方付属しながら、実売価格が税込みで2万円前後というのは驚異的な安さだ。
このクラスのモバイルディスプレイは機能面で差別化がしにくいため、価格を極限まで削って争いを繰り広げていることが多いが、プラスαの機能を備えた本製品は、そういった製品と比べても十分にアドバンテージになる。保証期間は12カ月と特に長いわけではないが、この価格ならば何ら文句はない。
前述のように、2通りの使い方ができるといっても実質的に使えるのはどちらか一方に限られる他、カバーのネジが突出していたり、スタンドは角度調整が面倒だったりと、ところどころ気になる点はある。コスパのよさは突出しているが、こだわって使うとなると、個人レベルで一工夫する余地はありそうだ。
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