次期Windowsイベントの発表内容予測と1つの疑問Windowsフロントライン(2/2 ページ)

» 2021年06月24日 06時00分 公開
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流出した“Windows 11”に見られるビルド番号の謎

 今回流出が話題になったのは“Windows 11”と呼ばれるOSだが、それ以前には開発中止になったWindows 10XのISOが流出してスクリーンショットが多数インターネット上に掲載されたという事件があった。AI関係の研究開発を行っているDaniel Kornev氏がTwitterアカウント上で2つの流出OSの比較動画を紹介しており、ここで注目してほしいのは2つのOSのビルド番号だ。

 2021年1月に流出が確認されたWindows 10Xでは、「Build 20279」のビルド番号が付与されていたが、今回のWindows 11では一気に数字が飛んで「Build 21996」となっている。

 Windows Insider ProgramのBeta ChannelとRelease Previewで現在提供されている「20H2」のビルド番号は「Build 19042.1081」、「21H1」のビルド番号は「Build 19043.1081」であり、「19xxx」台の数字となっている。

 対してDev Channelで5月26日(米国時間)に提供されている最新の開発途上ビルドは「Build 21390」であり、「21xxx」台だ。

 これに関して興味深い話題がある。BetaWikiというサイトに、Microsoftの社内外を含む過去さまざまな場所から収集された“ビルド番号”が記録されている。

 Windows OSの“コア”にあたる開発コード名の説明は省略するが、本項執筆時点で「Manganese」が「19400-19645」、「Iron」が「20124-20344」、「Cobalt」が「21200-21996」、「Nickel」が「22350-22395」となっている。

 これを見ると分かるが、「Semester」と呼ばれるコアの開発サイクルで各世代ごとに1000単位でビルド番号が上昇しており、その世代を見分けられるようになっているようだ。この番号規則はManganeseの途中から導入されたようで、それ以降のSemesterでいきなりビルド番号が“跳ねる”ようになった。

 また、一連の数字の規則から判断する限り、21H1までの大型アップデートはManganeseの範ちゅうに入っていない。逆に流出したWindows 11では「Build 21996」となっているため、これはManganeseとIronという2つの世代を飛ばして一気にCobaltに到達していることになる(ちなみに流出したWindows 10XはIronの範ちゅうに入る)。

 筆者も過去の記事で勘違いしていた可能性が高いが、今回の“Windows 11”と呼ばれるOSでは、Manganese/Iron/Cobaltの開発サイクルで培われた機能が一気に取り込まれ、内部的/機能的に大きな飛躍を遂げている可能性が高いと考える。

 流出したWindows 11についてKornev氏は「Build 21996は開発ブランチで行われた変更がメインのブランチに反映される途上にあり、最終版ではない」とも指摘している。つまり、“Windows 11”としてリリースされるOSは最新の開発ブランチである「Build 21996」ではなく、変更差分が追加あるいは削除された形で最終的な“ビルド”へと昇華されるのではないかという推測だ。

 一連の開発ブランチに関する不透明な部分について、TwitterユーザーのAlbacore氏がイベント開催までのタイムラインをまとめているが、ここでの情報をそしゃくしつつ、実際にWindows 11が(おそらく秋に)どのような形で登場するのか、考えを巡らせてみてほしい。

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