最近は、本製品のようなE Ink採用のノート機能搭載デバイスが続々と登場している。本製品の特徴を知るには、これらと使い比べてみるのが一番だ。今回は、それぞれ10.3型となる楽天の「Kobo Elipsa」、および「BOOX Note Air」と比べてみよう。
本製品をこれらの競合製品と使い比べて感じるのは、何といってもデバイス内にあるPDFの閲覧のしやすさだ。扱いやすさ、といった方がいいかもしれない。
具体的には、ノートの新規作成はもちろん、最近開いた履歴から素早く呼び出せるのに加え、ページの一覧をサムネイルで表示したり、指定ページにジャンプしたり、ページの挿入や削除、書き込みだけの削除、ドキュメントの複製や名前の変更など、おおよそ考えられる操作が行える。強いて挙げれば、目次のないPDFでは、先頭ページにワンタップで戻れないのが気になるくらいだ。
面白いのは、手書きで「☆」もしくは「*」マークを書き込んでおくことで、該当のページを呼び出せる機能(マーク検索)が挙げられる。本製品はタグやしおりを追加する機能はないが、この機能のおかげで、必要なページにマークを付けておき、自由自在に行き来することができる。ページ数の多いPDFを扱う場合は便利だ。
PDF1.7に準拠しており、Acrobatなどで書き込んだマークアップもきちんと表示できる。コメントが表示できないため校正作業には使えないが、前述のKobo Elipsaなどは書き込んだ丸や四角、矢印すら表示できないので、全体的には優秀な部類に入る。
さらに見開き表示にも対応している他、左右とじの切り替えにも対応しており、PDFの電子書籍の閲覧も問題なく行える。さらにAcrobatなどではおなじみとなる見開きの表紙設定も行えるので、見開きが1ページずれた場合の対応も容易だ。ちなみに見開きに切り替えると、画面が自動的に横向きになる。
なお新規に作られるノートの名前は、「大学ノート_20210701.pdf」のように、選択したテンプレート名の後に日付が入るフォーマットだ。個人的には、日付と名前が逆順の方が使いやすいのだが、ファイル名を一からつけなくてはいけないKobo Elipsaや、日付がなく連番だけで管理されるタイプよりは使いやすい。
次に、外部への書き出しや取り込みについて見ていく。
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