Intelは8月18日(日本時間)、オンラインイベント「Intel Architecture Day 2021」を開催。同社のCPUやGPUなど、同社の技術開発に関する動向や方針が報道関係者などに披露された。
このイベントでは、同社のGPUアーキテクチャ「Xe-HPG」の仕様と、同アーキテクチャを採用するGPU「Alchemist」(開発コード名)を2022年第1四半期(2022年1〜3月)に「Intel Arc」ブランドを付与して発売することが明らかとなった。
Xe-HPGは、Intelが提唱するGPUアーキテクチャ「Xe(エックスイー)」の一角をなすアーキテクチャで、「HPG」の名の通りハイパフォーマンスゲーミングに最適化したものとなる。
Xeアーキテクチャは、スケーラビリティー(柔軟な拡張性)を重視していることが特徴だ。例えば、第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)の内蔵GPUなどに使われている低消費電力重視のアーキテクチャ「Xe-LP」では、主にEU(演算ユニット)の数を調整することでスペックを調整している。
ゲーミング向けのXe-HPGでは、「レンダースライス」と呼ばれるユニットの数を調整することでスペックを調整する。レンダースライスに搭載されている要素は以下の通りだ。
Xe-Coreには、16基のベクトルエンジン、16基のマトリックスエンジン、L1キャッシュメモリなどが搭載されている。ベクトルエンジンは1基当たり256bit、マトリックスエンジンは1基当たり1024bitの演算に対応している。
レイトレーシングユニットは、その名の通りRT(リアルタイムレイトレーシング)処理をするためのエンジンだ。DXR(DirectX Ray Tracing)に対応するゲームなら、負荷を抑制しつつ高度な光源処理を行えるようになる。
その他のハードウェア機能は、DirectX 12 Ultimateに最適化された状態で実装されているという。
レンダースライスは、L2キャッシュを搭載したメモリファブリックを介して連結される。Alchemistでは、最大8基のレンダースライスを連結した製品の投入が計画されている。
問題はXe-HPGの性能だが、回路設計やソフトウェアの改善もあり、Xe-LPアーキテクチャの外部GPU(参考記事)と比較すると最大クロックは約1.5倍、消費電力当たりの性能も最大で約1.5倍となったという。
Intelは昨今、一部の半導体製品の生産をファウンドリー(受託半導体製造者)に委託している。3月に発表された「IDM 2.0構想」では、委託生産をさらに推進しつつ、自社生産能力も強化し、ファウンドリーとして他社から半導体生産を受託する方針を示した。
Alchemistについては、台湾の大手ファウンドリー「TSMC」に生産を委託する。TSMCが持つ6nmプロセス生産ラインを使うそうだ。
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