続いて、HD Tune Pro 5.75のテスト結果を見ていこう。
ブロックサイズ8MBと64KBを計測したが、どちらも似たような結果になっている。リードでは外周が毎秒272MB前後、内周が毎秒126MB前後、アクセスタイムは11.7ms、ライトは外周が毎秒273MB前後、内周が毎秒126MBs前後、アクセスタイムが3.53ms前後だった。
内周でも毎秒100MB以上の転送速度が得られており、さらに傾斜も弧を描くようになだらかであるところが特徴と言えるだろう。
なお、本テストを実行した季節が冬で、バラック状態で検証したこともあるが、発熱は非常に小さいと感じた。動作音も、ランダムアクセスでは低いゴリゴリといった音が聞こえるものの、シーケンシャルアクセスなどではかすかに聞こえる程度だ。
HDDベイ側の剛性やケース内での反響、通気口からの音漏れなども影響するが、PCやNASに収めたとして、多くの場合は本製品以外のファンノイズの方が大きいのではないだろうか。
IronWolf Pro ST20000NE000は、現時点で「購入可能」なHDDとして最大容量の20TBを実現した製品だ。20TBという大容量を1台で実現するというのが第一である。一般的には小容量のHDDを複数台用意することで、全体のストレージ容量を20TBまで拡大できる。それが不可能な場合、IronWolf Pro ST20000NE000が求められるのは大容量ストレージを必要としつつも(PCやNASの)ポート数やベイ数に限りがあるといったシーンだ。100TB、200TB、それ以上を求める状況だろう。
IronWolf Pro ST20000NE000は性能面でもデスクトップ向けHDDを上回っている。HDDの枠は出ないものの、少しでも速く、少しでも時間を短縮したいといったニーズを満たすことができる。あるいは、NASでも現在は2.5GbEやそれ以上のマルチギガに対応するモデルが登場してきている。IronWolf Pro ST20000NE000は、最大24ベイ対応なので、多くのラックマウント型NASで利用可能だ。
そして、IronWolf Proシリーズの信頼性やサポートも見逃せない。信頼性に関しては個人用途にはオーバースペックと思われるが、商用利用では安全の担保となるスペックだ。同時に3年間のデータ復旧サービスも付与される。メンテナンスや復旧のコストといった点もIronWolf Pro ST20000NE000を選ぶメリットと言えるだろう。
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