“秘密の領域”が優秀! あることすら悟られないセキュリティ領域のあるポータブルSSDを試すポータブルストレージの道(3/3 ページ)

» 2022年02月25日 12時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]
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秘密にしたい文書をガッチリ保護

 Lexar SL660 BLAZEには、標準でLexarDataShieldアプリが格納されている。これは、どちらもPCへインストールせず、SSDから直接起動させるプログラムだ。

 同アプリでは、“金庫”のようにデータを暗号化して保存できる。この領域に格納したデータは、AES 256ビット暗号化が行われる。しかも、ここから削除したファイルは、その場で完全に消去となり、復元することはできない。ビジネスパーソンであれば最高機密文書を、プライベート利用であれば見られたくないデータを保管するのにうってつけの場所なのだ。

 LexarDataShieldの利用手順を見ていこう。

 LexarDataShieldのアイコンをダブルクリックすると、(英文の)使用許諾に同意するかどうかが尋ねられるので、問題ないようであれば「I Agree」をクリックして「Next」を選ぶ。その後、保護領域のための6文字以上のパスワード、パスワードを思い出すヒントを設定し、利用を開始する。

Lexar SL660 BLAZE LexarDataShieldの起動画面。言語は英語か中国語しか選べない

 パスワードを入力してアプリを開くと、ファイル管理画面が表示される。上がLexar SL660 BLAZE内の保護領域、下がローカルの領域だ。

Lexar SL660 BLAZE アプリのウィンドウは上下に分割されている。Windowsであれば、ウィンドウにメニューバーが表示される

 見られたくない、もしくは見られてはいけないようなファイルやフォルダーは、上部の「Flash Drive」に入れよう。いったん、Flash Driveをダブルクリックして、何も入っていないことを確認したら、メニューから「File」→「Add File(s)」をクリックしていく。

Lexar SL660 BLAZE 「Flash Drive」の中身が見える状態で操作。Flash Driveアイコンが見えている状態では、「Add File(s)」がグレーアウトしていてクリックできない

 後は、開いたファイル管理画面から任意のものを選び「Encryption」をクリック。

Lexar SL660 BLAZE Flash Drive(保護領域)へは、フォルダー単位、またはファイル単位で追加可能だ

 転送が完了すると、その旨を示すダイアログボックスが表示されるので、「Comfirm」をクリックして完了させよう。

Lexar SL660 BLAZE 転送が完了したことを確認するだけなのに、赤いボタンが仰々しい

 LexarDataShield外のウィンドウ、またはアプリ下部からドラッグ&ドロップして、保護領域に転送することも可能だ。

Lexar SL660 BLAZE アプリウィンドウ内、下部からドラッグ&ドロップしているところ。メニューバーまでマウスを動かすより、こちらの方が楽だ

 保護領域に転送されたデータは、通常のファイル操作では開くことができない。いや、むしろ、そこに存在していることすら分からない。というのも、ドライブを開いても、影も形も見えないからだ。

Lexar SL660 BLAZE 左側はLexarDataShieldアプリのウィンドウ。確かに「food」と「PCUcer」フォルダーが格納されているのに、PCのシステムで開いたウィンドウ内(右側)には表示されていない
Lexar SL660 BLAZE 保護領域に格納されたデータを開くことが可能だ。ただし、編集などの変更を加えることはできず、それをしようとすると「元の書類を変更できないため、変更内容を含む複製が作成されました」と表示される

 一般的なPC環境では、本製品の仕様通りの速度は出ない場合が多いとは言え、実際に使ってみた印象では単純に「速い」と感じた。40MB近くある撮影データが一瞬で転送されたからだ。

 これなら、Google フォトに預けてある100GB近い写真や動画を保存するのに、さほど時間がかからなそうだ。しかも、見られたくない写真は、存在しないように格納することもできる。あれもしたい、これもしたい……とLexar SL660 BLAZEを片手に、あらぬ野望がムラムラと膨らむのであった。

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