小さいPC、特に超小型PCが好きだ。前回はShenzhen GPD Technologyの「GPD MicroPC 2021ver」(以下、MicroPC)を取り上げたが、今回は海外のクラウドファンディングサイト「Indiegogo」で出資していたその上位モデルとも言える「GPD Pocket 3」(以下、Pocket 3)の実機が届いたので、こちらをMicroPCとの比較を交えて紹介しようと思う。
ポインティングデバイスの配置や、シリアルポートの装備が可能(オプションでRS-232CやKVMモジュールに換装できる)といった独特な部分はMicroPCを継承しつつ、よりパワフルなスペックを備えているのが、Pocket 3の特徴だ。
Pocket 3には2つのバージョンが存在する。CPUに第11世代Core i7-1195G7を搭載した「Ultimate版」と、Pentium Silver N6000を備えた「Pro版」だ。
今回筆者が手にしたのはUltimate版の方で、投資額は約12万6000円(税込み、以下同様)だった。原稿執筆時の価格はAmazonで14万円前後(下位モデルは8万6000円前後)と、国内モデルでは別売となるスタイラスペン(MPP 2.0対応)やモジュールの差額を考えると、ずいぶんと安く購入できた形だ。
両モデルの違いはCPUの種類だけでなく、メモリ容量、搭載端子の種類などにも及ぶ。
GPD Pocket 3の主なスペック | ||
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モデル名 | Ultimate版 | Pro版 |
CPU | Core i7-1195G7(2.9GHz〜5.0GHz) | Pentium Silver N6000(1.1GHz〜3.3GHz) |
コア数 | 4コア8スレッド | 4コア4スレッド |
GPU | Intel Iris Xe Graphics | Intel UHD Graphics |
メモリ | 16GB(LPDDR4x-3733) | 8GB(LPDDR4x-2933) |
ストレージ | 1TB SSD(PCIe 3.0) | 512GB(PCIe 3.0) |
液晶ディスプレイ | 10点タッチ操作対応8型(1920×1200ピクセル) | |
無線LAN | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.0 |
Thunderbolt | Thunderbolt 4(USB4)×1 | − |
インタフェース | USB 3.2 Gen2 Type-C(Pro版のみ)HDMI 2.0、USB 3.1 Gen 2 Type-A×3、3.5mmイヤフォンジャック(マイク対応)、有線LAN(2.5GbE対応) | |
OS | Windows 10 Home | |
10点のマルチタッチ操作に対応した8型ディスプレイは、アスペクト比16:10の1920×1200ピクセル表示に対応する。また、約200万画素のWebカメラ、バックライトキーボード、容量38.5Whのバッテリー、OSのWindows 10 Homeなどは2モデルで共通だ。
ボディーサイズは約198(幅)×137(奥行き)×20(厚さ)mmで、重量は公称で約725g、実測で約724gとなる。ハンド/ネックストラップを取り付けられるストラップホールを備えたボディーは、アルミニウム合金製で高級感がある。色は、製品写真を見る限りではグレーに見えるのだが、実物は、光の加減で紫味を帯びたブロンズといった趣だ。
なお、使い道があるわけでもないのに交換モジュールのKVM(HDMI+USB端子)とシリアル端子(RS-232)まで付けてしまった。決して貧乏性ではないが、後から欲しくなったときに面倒なので買ったのだ(と自分に言い聞かせる)。
最近になって、microSDメモリーカードのモジュールも発表されたので、これまた気になっていたりする。
ディスプレイはほぼ水平状態にまで開く上に、反時計回りに180度回転して折りたためばタブレットのように使うことができる。クラウドファンディング特典で付属してきたスタイラスペンを使えば、手書きメモを取るのも簡単だ。
早速、Pocket 3とMicroPCを比べていこう。
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