中国Shenzhen GPD Technologyの「GPD Pocket 3」は、8型ディスプレイを搭載した2in1 PCだ。2軸ヒンジのY軸(垂直軸側)でディスプレイを反時計方向に180度回転すれば、クラムシェルスタイルからスレートスタイルのタブレットに姿を変える。これは、先日レビューを掲載した中国One-Netbook Technologyの「One-Netbook A1 Pro」と共通する機構だ。
国内ではGPD Direct(天空)やリンクスインターナショナル、ハイビーム秋葉原本店などで取り扱いがある。
製品名的には「GPD Pocket 2」の後継だが、GPD Technologyとしては、従来の「GPD Pocket 2」や「GDP P2Max」、そして「GDP MicroPC」と、これまでに投入してきた非ゲーム向けラインアップをこれ1台で全て網羅できるモデルとして開発したと述べている。
8型と超小型PCとしては大画面のディスプレイを搭載して、上位構成ではCPUにCore i7-1195G7を採用(下位モデルはPentium Silver N6000)するなど、処理能力を重視しているのはGDP P2 Max譲り(GPD P2 Maxのディスプレイサイズはひと回り大きい8.9型だが)で、インタフェースにUSBだけでなく、シリアルポート用のRS-232CやKVMモジュール(HDMI+USB端子)などと換装できるオプションも用意されるのがポイントだ。
このあたりは、ワークマシンとして際立つ存在だったGPD MicroPCの流れを継承しているといえる(GPD Pocket 2、もしくはGPD Pocketシリーズの継承という意味では、P2 MaxとMicro PCの合流による発展的融合とも理解できる)。
One-Netbook A1 Proと同じく、一般的な2in1 PCの用にディスプレイを360度開いてタブレットにする機構と比べて、タブレットスタイルにしたときにキーボード面を持つことがなく、本体を持ちやすい。また、ディスプレイをほぼ90度にしておかないと回転できないのも同様で、GPD Pocket 3もY軸が細いので無理やり回すと破損する恐れがある。
とはいえ、GPD Technologyでは、10万回の連続操作試験をクリアしていると耐久性には問題がないとしている。ボディーの素材がアルミニウム合金で質感が高いのもOne-Netbook A1 Proと同様だ。
GPD Pocket 3の8型ディスプレイは、画面解像度が1920×1200ピクセルとGPD P2 Maxの8.9型ディスプレイの解像度2560×1600ピクセルほどではないにしても、ディスプレイサイズに比して解像度は高い。
となると、やはり、文字が小さすぎて見えづらいのでは、という懸念がわいてくる。OSのWindows 10 Home(64bit)としてはズーム設定の推奨を200%にしているが、さすがにこれでは画面が狭苦しくなる。7型ディスプレイだったOne-Netbook A1 Proは100%設定だとフォントの表示サイズが小さすぎて常時使用は難しかった。
しかし、GPD Pocket 3ではディスプレイサイズが8型と一回り大きいこともあってか、100%設定で2週間ほど使ってみた印象としてはフォントが小さくて目が痛くなるほどに疲れてしまう……ことはなかった。長時間、具体的には2〜3時間を超すあたりから文字を“読む”のが難しく感じることもあったが、それでもOne-Netbook A1 Proと比べると作業し続けられる時間は長かった。
上記の評価も「主観的な感想」となってしまうので、ここでも参考までに拡大縮小設定を100〜200%に変えながらWebブラウザのEdgeでPC USERのレビュー記事本文で表示されるフォント1文字のサイズと、「メモ帳」の標準設定(フォント=MSゴシック、スタイル=標準、サイズ=12ポイント)で全画面表示時における1行当たりの文字数と表示行数をカウントしてみた(解像度、フォント、フォントサイズが同じなので1行文字数と行数はOne-Netbook A1 Proと変わらないが参考までに記載する)。
拡大縮小設定 | 1文字当たり表示サイズ | 1行当たり表示文字数 | 表示可能行数 |
---|---|---|---|
100% | 1.4mm | 118文字 | 67行 |
125% | 1.5mm | 94文字 | 52行 |
150% | 1.7mm | 78文字 | 41行 |
200% | 2.7mm | 58文字 | 28行 |
それぞれの視力や使い勝手に応じて、最適なパターンを選んでほしい。
続いて、キーボード回りをチェックしよう。
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