「OMEN 45L」の強力な“独立”冷却機構、効果はいかに? 最新ゲーミングタワーPCを試す(2/4 ページ)

» 2022年07月15日 15時00分 公開
[長浜和也ITmedia]

メーカー製品としては最上位クラスのスペックを誇るOMEN 45L

 OMEN 45Lには、今回レビューするエクストリームモデルの他に、一部のスペックを抑えることで購入しやすくした「ハイパフォーマンスモデル」(税込み直販価格37万5100円)が用意されている。

 両者の違いは搭載されているCPUとGPUにある。エクストリームモデルは第12世代Coreプロセッサの最上位モデルとなる「Core i9-12900K」とGeForce RTX 30シリーズの上位モデル「GeForce RTX 3090」を組み合わせており、メーカー製ゲーミングデスクトップPCとしては最高クラスのスペックを有している。ハイパフォーマンスモデルでは、CPUとGPUがそれぞれ「Core i7-12700K」「GeForce RTX 3080」で、こちらもメーカー製としてはかなりのハイスペックである。

 その他のスペックはエクストリームモデルとハイパフォーマンスモデルで以下の通り共通している。

  • メインメモリ:32GB(DDR4-3733規格/16GB×2、HyperXブランド)
    • DIMMスロットは4基あるため、最大64GBまで増設可能
  • ストレージ:2TB SSD(PCI Express 4.0接続、Western Digital製「WD_BLACK」)
  • インタフェース類
    • 背面:オーディオ×3(マイク、ライン入力、ライン出力)、USB 2.0 Type-A×2、USB 3.0 Type-C、USB 3.1 Type-C、USB 3.0 Type-A、USB 3.1 Type-A、有線LAN(1000BASE-T)、HDMI出力、DisplayPort出力×3
    • 本体上部:イヤフォン/マイクコンボ端子、マイク入力、USB 3.0 Type-A×2(常時給電対応)、USB 2.0 Type-A×2
  • 無線通信:Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)/Bluetooth 5.0
  • 電源:最大800W出力(80PLUS Gold認証取得、Cooler Master製)
  • 本体サイズ:約204(幅)×470(奥行き)×555(高さ)mm
  • 本体重量:約22.6kg
  • OS:Windows 11 Pro

 標準構成の場合、本体への付属品は電源ケーブルと簡易マニュアルのみとなる。ディスプレイはもちろんだが、キーボードやマウスは別売となるので注意しよう。なお、直販ではOMENブランドのゲーミングキーボードやゲーミングマウスを付属することも可能だ。また、ディスプレイが必要な場合は34型ウルトラワイドディスプレイ「HP X34 WQHD」のセット品も用意されている。

 もっとも、ゲーミングデスクトップPCを購入する人の多くは、自分好みのキーボード、マウス、ディスプレイを別途調達する人が多いと思う。そういう意味では、標準の付属品を極力少なくする姿勢は好印象ともいえる。

背面 本体背面の様子
メモリ メインメモリはHyperXブランドの16GBモジュールを2枚搭載している。LEDライティングにも対応している
SSD SSDはWestern Digital(ウエスタン・デジタル)のゲーミング向け「WD_BLACK」を採用している。日本向けモデルでは容量は2TB(SDCPNRZ-2T00)のみとなる

 今回評価するエクストリームモデルが搭載するCore i9-12900Kは、第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)のデスクトップ向け製品(Sシリーズ)の最上位モデルで、型番末尾の「K」が示すようにアンロック(≒オーバークロック)にも対応している。処理能力重視の「パフォーマンスコア(Pコア)」は8基16スレッド構成(3.2GHz〜5.2GHz)、処理効率(消費電力)重視の「効率コア(Eコア)」は8基8スレッド(2.4GHz〜3.9GHz)で稼働する。合計で“16コア24スレッド”という構成だ。

 Core i9-12900Kの基本消費電力は125Wで、Maximum Turbo Power(最大消費電力)は241Wとなっている。メインメモリはDDR4-3200とDDR5-4800(いずれも定格時)に対応しているが、先述の通りOMEN 45LではDDR4規格を採用している。

CPU-Z 「CPU-Z」で確認したCPU情報

 一方、GeForce RTX 3090はGeForce RTX 30シリーズにおいて「GeForce RTX 3090 Ti」に次ぐモデルだ。「2番手」ではあるものの、以前は最上位モデルだったこともあり、現在でも“モンスター級”のスペックを備えている。

 GeForce RTX 3090は「Ampereアーキテクチャ」のGPUコアを採用し、CUDAコアを1万496基搭載している。開発元のNVIDIAが公開しているスペックでは、1.4GHz〜1.67GHz駆動とされているが、OMEN 45L(エクストリームモデル)が搭載するグラフィックスカードはGPU(定格)クロックが1395MHz、ブースト(最大)クロックが1695MHzという設定となっているようだ。

グラフィックスカード OMEN 45L(エクストリームモデル)が搭載するグラフィックスカード。GPUはGeForce RTX 3090である
拡大図 グラフィックスカードが重く大きいこともあり、ケースには荷重を逃がすためのステーが取り付けられている。このステーは可動式で、もう少し奥行きのあるカードでも対応可能だ
GPU-Z 「GPU-Z」で表示したGPU情報

OMEN 27uもハイスペック

 今回のレビューはOMEN 45Lが主役だが、今回組み合わせるOMEN 27uについても軽く触れておこう。

 OMEN 27uはOMEN 45Lと一緒に発表された27型ゲーミングディスプレイで、先述の通り4K/144Hz表示に対応するハイエンドモデルだ。ディスプレイパネルにはIPS液晶を改良して暖色の表現力を高めつつ、発熱を抑制した「IPS Oxide」を採用している。

 HDMI 2.1入力、HDMI 2.0入力とDisplayPort 1.4入力を備えており、最新の据え置きゲーム機も4K表示で楽しめることが魅力だ。

4K表示 4K表示に対応する27型IPS Oxide液晶を採用している
LEDLED ディスプレイ下部のLEDライトは、ユーティリティーアプリ「OMEN Light Studio」で光り方を調整できる
背面 背面のLEDイルミネーションもOMEN Light Studioで調整できる。電源スイッチとスティック式コントローラーの姿も見える
チルトチルト 付属のスタンドは高さと画面角度の調整に対応している。高さは130mmの範囲で上下可能だ
左側 本体左側のポート類。左からヘッドフォン出力、HDMI 2.0入力、HDMI 2.1入力、DisplayPort 1.4入力、電源端子が並ぶ
右側面 右側面にはUSBハブが搭載されている。左からUSB 3.1 Type-C(PCとの接続用)、USB 3.1 Type-A×2と並んでいるが、USB 3.1 Type-C端子にはUSB PD(Power Delivery)による電源供給機能やDisplayPort Alternate Modeによる映像入力機能は備えていない
スタンド上部 スタンドの上部にはヘッドフォン/ヘッドセット用のスタンドも設けられている

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