OMEN 45Lには、OMENシリーズ共通のユーティリティーアプリ「OMEN Gaming Hub」がプリインストールされている。Gaming Hubでは各種システム設定やチューンアップを行えるようになっている他、イルミネーションパターンを編集できる「OMEN Light Studio」やゲームプレイを配信できる「Oasis Live」との連携機能も備えている。
アプリ内の「Optimizer」を使うと、CPUの最適化、システムメモリの未使用ワーキングエリアの解放、バックグランドプロセスの自動終了を通してゲームのパフォーマンス向上と安定動作を実現できる。比較的簡単に使えるシステムチューン機能といえる。
アプリ内のデバイス一覧から「OMEN DESKTOP」をクリックすると、OMEN 45L自身の詳細なシステム設定にアクセスできる。
システム設定の「オーバークロック」タブでは、「K」の付くCPUを搭載しているモデルらしく、動作クロックの倍率設定をコア単位で指定できる他、CPU駆動電圧、キャッシュレシオなど、細かい設定を手動で行える。
「パフォーマンスコントロール」タブにある「電源モード」と「温度コントロール」は、標準でプリセットから選ぶようなっており、電源モードは「最適」「パフォーマンス」のいずれかを、温度コントロールは「静」「標準」「パフォーマンス」のいずれかを選ぶことでシーンに応じたパフォーマンス/風量調整が行える。温度コントロールを手動設定に切り替えると、クーラーファンの設置エリアごとに基準の回転速度と測定温度と回転速度の変動関係をグラフで設定できるようになる。
この他、プロセスごとにデータ通信帯域利用の優先度を指定できる「ネットワーク」タブやイルミネーションパターンを設定できる「LEDコントロール」タブもある(LEDコントロールをクリックするとOMEN Light Studioが起動する)。
せっかくなので、パフォーマンスコントロールが実際の動作にどのくらい影響するのか、プリセットの設定を組み合わせを変えつつチェックしてみよう。CINEBENCH R23を電源モードや温度コントロールの状態別に実行した際のマルチコアスコアは以下の通りとなった。
このように、スコアには有意な差が生じる。もちろん、設定を引き上げるほどファンの音も大きくなる傾向にあるが、静かさを取るかパフォーマンスを取るかでうまく切り替えれば良いだろう。
なお、このスコアの傾向はFF15ベンチマークテストでも同様だったことをつけ加えておく。
OMEN 45Lは特徴的なケースが大きく評価されている。一部の国/地域に限られるが「ケースを単体販売しよう!」という発想に至るのも納得の出来であることは確かだ。
一方で、OMEN 45Lのケースには5インチベイがない。ベテランPCユーザーの一部にとって、この点は戸惑いを隠せないかもしれない。ただ、最近はゲームもオンライン提供が一般的である。時代を考えれば、「光学ドライブを搭載できるようにするくらいなら、放熱しやすい設計を優先しよう」という発想は合理的ともいえる。
光学ドライブや各種USBストレージ(カードリーダー類)を接続する場合、天面のUSB端子を使う機会もあると思う。しかし、先述の通り、天面のUSB端子はUSB 3.0規格とUSB 2.0規格で、少し遅めである。より高速なUSB 3.1規格で接続したい場合は、背面のUSB端子に手を伸ばさないといけないことには注意したい。
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