もしかすると日本語文字列の表示関連に起因したバグなのかもしれないが(海外メーカーのアプリではありがち)、例えばグラフィックスメモリの動作クロックを示すはずの「VRAM有効周波数」が「0FPS」と表示されるのだ。単位表記の「FPS」が間違えだとして、正しくは「MHz」だったとしても、数字の"0"はそもそもおかしい。
その他にも3Dゲームグラフィックスをバリバリ描画しているはずなのに、描画負荷を表す「レンダリング・アクティビティ」が「0%」になっていることもあり、「この値って合っているの?」という表示がしばしば見受けられた。
他にも、このGPUステータスのオーバーレイ表示機能に「インテル パフォーマンス・テレメトリー」のタイトル表示は無駄だ。2行分のスペースを専用していては邪魔だし(NVIDIAやAMDの同機能にこんなタイトル表示はない)、そもそも「テレ/メトリー」という改行表示が、駆け出しの海外企業が行った日本語ローカライズのようでみっともない。
まあ、改行を直すよりは、筆者は、AMDやNVIDIAにならって、ここのタイトル表示はなくす改善を行うことを所望したい。
なお、前述したように、Intel Arc Controlのオーバーレイ表示を行っていると、暴走こそしないが、ゲーム進行が一瞬、止まったりするグリッチ現象があったので、筆者は、Intel Arc Controlを使うのをやめて、評価期間中はWindows 10/11の標準搭載機能である「Xbox Game Bar」を使うようにしていた。
これは、Windowsキー+Gキー、もしくは、ゲームコントローラの[Xbox]ボタンや[PS]ボタンを押すと出てくる、マイクロソフト製のオーバーレイ型サポートウィジェットで、この「パフォーマンス」タブをクリックすることで、PCに搭載されているCPUやGPUの負荷状態やフレームレートをリアルタイムにオーバーレイ表示してくれるようになる。
Xbox Game Barの表示位置のカスタマイズ自由度は、実は表示位置を画面の四隅からしか選択できないNVIDIAのGeForce Experienceよりもよく、使いやすい。ちなみに、Xbox Game Barのこのオーバーレイ機能を使って以降は、例のグリッチ現象には出会わなくなったのでお勧めだ。
繰り返しになるが、Arc A380のGPU自体、そして最新のGPUドライバ自体に不満はない。
改善して欲しいのは、サポートソフト回りである。まぁ、こうした「サポートソフトの安定性」については、AMDやNVIDIAも、ユーザーからのフィードバックにもまれて鍛え上げられてきた経緯があるので、Intel Arc Controlも、いずれ立派なものになるのではなかろうか。
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