初代HomePodが出てからHomePodの役割は進化した。中でも有用なのが、音声で命令する声が誰の声かを見分けて、その人のカレンダーの予定など個人情報をSiriに聞くことができる「パーソナルリクエスト」と呼ばれる機能だ。最大6人までを識別して、再生する曲の好みを合わせたり、その人のiPhoneを(音を鳴らして)探し出したり、連絡先から誰かに電話をかけたりできる。
パーソナルリクエストに関連した機能で使う機会が多いのが、違う部屋にいる家族に録音音声を送信する「インターコム」と呼ばれる機能だ。例えば「みんなに夕飯の支度ができたと伝えて」と命令して、家中のHomePod(やHomePod mini)に声のメッセージを伝えたり、「リビングルームに音量を下げてと伝えて」と特定の部屋のHomePodにメッセージを送ったりすることも可能だ。
実はこれらの機能は初代HomePodでも使えるが、新型HomePodではこのように家族の声を聞き分けるだけではなく、火災警報器や一酸化炭素の発生を知らせる警報器の音も、今後登場するファームウェアのアップデートで聞き分けられるようになる。
リビングなどに設置されたHomePodがこれらの音を感知すると、例えば外出中であっても家族のiPhoneに「緊急事態」を知らせる通知が届き、必要ならiPhoneと家に置いてあるHomePodを直接声で繋ぐこともできる(HomeKitやMatterに対応した監視カメラがあれば、監視カメラの映像を確認することも可能だ)。
例えば、子供を家に置いたまま買い物にでかけている間に、こういった事態が発生した場合など、この機能が人命を救うことになるかもしれないし、聴覚障害などを持っていて警報を聞くことができない人でも、この機能を使えばiPhoneの通知で危険を知ることができる(なお、同様の警報を認識する機能は、既にiOSの「アクセシビリティ」設定にも「サウンド認識」という機能として組み込まれている)。
新型HomePodには、あと2つ新たに追加された機能がある。温度センサーと湿度センサーだ。これらのセンサー、実はHomePod miniにも先行して搭載されていたが、これまで隠し機能として使われずにいた。第2世代HomePodの発売と同時リリース予定となるバージョン 16.3にアップデートすることで、HomePod miniでも利用可能になる。
アップデートすると、iPhoneの「ホーム」アプリでHomePodを設置した部屋を開いた時、上に温度と湿度が表示されるようになる。またSiriに「リビングルームの湿度は?」などと聞いた場合も音声で答えてくれる。
ホームアプリには、オートメーションを設定する機能がある。これを使えば、今後対応のエアコンや加湿器が出てきたら、温度が一定の温度以下になったら暖房を、一定の温度以上になったら冷房を入れるといったオートメーションや、湿度が一定の値未満になったら加湿器を入れる、といったオートメーションを組むことも可能になる。
エアコンに内蔵されたセンサーと違って、利用者のそばで温度や湿度を測れることも強みなら、外出中でも家の温度や湿度を確認できることも強みと言えよう。
iPhoneなどと連携する、HomeKit対応のスマート家電が少ないことを嘆く人もいるかもしれない。Appleは新たにHomeKitに加えて業界標準のスマート家電規格「Matter」もサポートしており、多くの家電メーカーが同規格のサポートを表明していることから、これまでよりかは期待が持てそうだ。
第2世代HomePodの価格は税込み4万4800円(ステレオペアだと8万9600円)で、2月3日からの販売開始となる。
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