Apple純正のスマートスピーカー「HomePod」に新モデルが登場した。iPhoneやiPad、Macで再生している音楽をAirPlayで飛ばして、原音に忠実で迫力ある音で再生してくれるのはもちろん、映像コンテンツを映画館に迫る立体的な音響で楽しんだり、高品質のスピーカーフォンとして通話を楽しめたりする。さらに、Siriを通して見失ったiPhoneを探したり、今日のニュースや明日の天気を聞いたり、対応家電を操作したり、家庭内のインターコム代わりに使うことも可能だ。
最初のHomePodが発表されたのは2018年1月(日本での発売は2019年7月)と、実に今から5年も前のことだ。その後、2020年に小さいながらも原音をAI処理して驚きの立体音響を実現するたコンピュテーショナルオーディオを前面に打ち出した「HomePod mini」が登場し、カラーバリエーションが増加するなどして話題はすっかりそちらにシフトしていた。そのような中で、2021年3月にAppleはついに初代HomePodの生産終了まで発表してしまう。
しかし、だからといってAppleが、この製品に見切りをつけたわけではなかった。低音もしっかりと響き、原音に忠実な音を再生してくれる大型HomePodの必要性はAppleも引き続き認識していたようで、今回新モデルが登場した。
新発表の2代目HomePodは、一見すると初代製品に似て見えるが、実は中身はもちろん外観や機能まで大幅にアップデートされている。
HomePodは、リビングルームなどの人目に触れる場所に置いて使う製品だ。まずはその外観デザインの違いからじっくり見ていこう。
HomePodと言えば、最大の特徴は本体360度を取り囲む樹脂を織り込んだファブリックによるメッシュ(網目)構造だろう。前後/左右がなく、まるで製品全体がスピーカーグリルのような見た目になっている。
この特徴の基本は2代目でも変わらないが、実はブラックモデルでは使われる素材が変更となり、100%リサイクルの樹脂を採用している。ちなみに白モデルは、リサイクル素材だとここまで明るい白色を出せなかったのか、従来通り30%リサイクルのプラスチックを織り込んだファブリックとなる。
HomePodのもう1つの特徴は、本体の上部がほぼフラットな樹脂性の円状タッチパネルになっており、ここをタッチしてオン/オフや音量調整、音声アシスタント「Siri」の呼び出しなどを行えることだ。
この部分、初代製品ではメッシュ構造の上に樹脂の円盤がフタのような形で乗っている構造だったが、新モデルではメッシュでできた本体の上に火山のカルデラのような凹みが作られ、その凹みの底面にタッチパネルが設置されるという、より高度な作りに進化した。この部分、実はHomePod miniも同じデザインで、製品シリーズとしての統一感を実現したとも言える。
置いた状態だと見ても分からない底面、湯飲みでいうところの高台の部分も変更された。初代製品では、この部分が本体内側に向かって凹んで本体の表面積を稼いでいたが、新モデルでは凹みのないフラットな面となり、設置面積が大きくなった分、設置面にしっかりと固定できるようになっている。
もう1つ、初代HomePodではファブリックの電源ケーブルが本体の中から伸びていて、取り外しできない作りになっていたが、新型では取り外しができるようになった。取り外しができるのだが、本体にくっつけた状態だと取り外しできず本体と完全に一体化しているように見えて美しい。非常にささいな部分ではあるが、こんなところの美しさにまでこだわっているのはなんともAppleらしい。
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