見どころは「ワッパ」? AMDの新型ハイエンドCPU「Ryzen 9 7950X3D」の実力をチェック!(2/4 ページ)

» 2023年02月27日 23時00分 公開
[迎悟, 井上翔ITmedia]

Ryzen 9 7950X3Dは本当に強い? 性能をチェック!

 ここからは、Ryzen 9 7950X3Dの実力をベンチマークテストを通して確認していこう。

 今回はAMDから提供された「レビューキット」に、筆者の手持ちの機材を組み合わせてテストを実施した。主な仕様は以下の通りだ。

  • CPU:Ryzen 9 7950X3D(16コア32スレッド/4.2GHz〜5.7GHz)
  • マザーボード:AMD X670Eチップセット搭載(GIGABYTE X670E AORUS MASTER、※3)
  • メインメモリ:DDR5-6000 16GB×2(G.SKILL TRIDENT Z5 NEO)
  • グラフィックスカード:Radeon RX 6800 XT(MSI RADEON RX 6800 XT GAMING X TRIO 16G)
  • SSD:PCI Express 4.0接続 1TB(Crucial P5 Plus 1TB)
  • 冷却ソリューション:Fractal Design Lumen S24
  • 電源:1000W(ASUS ROG-STRIX-1000G)
  • OS:Windows 11 Pro(バージョン22H2)

 なお、今回は過去にほぼ同じ構成で行った「Ryzen 9 7950X」(16コア32スレッド/4.5GHz〜5.7GHz)と、Core i9-13900K(Pコア8基16スレッド/3GHz〜5.8GHz+Eコア16基16スレッド/2.2GHz〜4.3GHz)におけるテスト結果も参考値として掲載する。

(※3)一部のテストでは「ASRock X670E Taichi」を利用している

テスト 今回テストするPCと、参考にスコアを掲載するPCの主な仕様
CPU-Z 「CPU-Z」でRyzen 9 7950X3Dの情報を取得してみる。CPUの名前はなぜか「Ryzen 9 7950X」になってしまっているが、L3キャッシュの容量は正しく表示されている
組み込んだ図 マザーボードに組み込まれたRyzen 9 7950X3D

CINEBENCH R23

 まず、3Dレンダリングを通してCPUの性能をテストする「CINEBENCH R23」を実行してみた。結果は以下の通りだ。

  • マルチコア
    • Ryzen 9 7950X3D:3万4136ポイント
    • Ryzen 9 7950X:3万7811ポイント
    • Core i9-13900K:3万8716ポイント
  • シングルコア
    • Ryzen 9 7950X3D:2034ポイント
    • Ryzen 9 7950X:2056ポイント
    • Core i9-13900K:2224ポイント

 スコアだけを見ると、Ryzen 9 7950X3Dが一番低くなっている。Ryzen 9 7950Xと比べた場合は、基本(定格)のクロック周波数が300MHzほど低いことが微妙なスコア差をもたらしたと考えられる。

CINEBENCH R23 CINEBENCH R23の結果

PCMark 10

 続いて、PCの総合的な性能をチェックする「PCMark 10」の結果を見ていこう。総合スコアは以下の通り拮抗(きっこう)している。

  • Ryzen 9 7950X3D:1万222ポイント
  • Ryzen 9 7950X:1万734ポイント
  • Core i9-13900K:1万329ポイント

 3D V-Cacheテクノロジーは、CPUの扱う命令が頻繁に変わる場合(≒CPUに対する命令データがたくさん出る場合)に効果を発揮する。しかしPCMark 10のテスト内容は「基本的なPC操作」にフォーカスしており、CPUに出す命令という観点に立つと“単調”なので、その効果を確認しづらいのだ。

 その効果をチェックするには、複雑な3Dグラフィックスを扱うゲームのように「CPUに出す命令がコロコロ変わるアプリ」を試してみる他にない。

PCMark 10 PCMark 10の総合スコア

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