セッションの最後には、ベンキュージャパンの高見裕介氏(エンタープライズビジネスグループ プロダクトマネージャー)が登壇し、デモを交えつつ電子黒板の新製品「RP03シリーズ」を紹介した。
RP03シリーズは2022年11月に発表された製品で、サイズは65型(RP6503)、75型(RP7503)、86型(RP86)の3モデルが用意されている。スタンドは「スタンダードキット」を購入すると付属するが、スタンドなしを選択することも可能だ。高見氏によると、65型では購入者の80%程度がスタンダードキットを選んでいるという。スタンダードキットの税込み想定価格は、65型モデルが73万円、75型モデルが83万円、86型モデルが113万円となる。
RP03シリーズは、「ハードウェア」「ツールアプリ」「管理者向けソリューション」の3点に特徴があるという。
BenQの電子黒板には、ハードウェアの抗菌やディスプレイのブルーライトカット機能など、健康配慮機能を「ClassroomCareテクノロジー」という名称で訴求している。RP03シリーズでは、ClassroomCareテクノロジーをさらに強化している。
まず、ハードウェアの抗菌範囲が「タッチガラス」「ペン」から「リモコン」「前面ボタン」にも広がった。また、BenQのコンシューマー向けディスプレイでもおなじみのブルーライトカット/フリッカーフリー機能「アイケアテクノロジー」についても、ブルーライトカットをハードウェアベースとすることで画面の色味をより自然なものとした。このブルーライトカット機能については、Eyesafeによる認証も取得している。
さらに、RP03シリーズでは新たに空気品質センサーを搭載している。設置場所の湿度、温度、CO2濃度などを検出できるので、冷暖房の利用や換気の実施の際の目安として活用できる。空気を清浄するためのマイナスイオン発生器も備えている。
本体にプリインストールされているツールアプリは幾つかあるが、中でも良く使われているのはワイヤレス画面共有だという。
RP03シリーズが搭載する「InstaShare 2」ではChromecastとAirPlayに対応しており、Chromecastに対応するChromebookや、Mac/iPad/iPhoneではOS標準の機能を使ってワイヤレス画面共有を利用できる。Windpws PCやAndroidスマートフォン/タブレットでも、専用アプリをインストールすることでワイヤレスで映像伝送可能だ。
Windows PCやMacに専用アプリをインストールした場合は、端末映像のミラーリングだけでなく、画面のタッチ操作(1点検知)や電子黒板の画面の共有も行える。児童/生徒の学習用端末に電子黒板の映像を共有するといった使い方も容易である。
ちなみに、DisplayPort Alternate Mode対応のUSB Type-C端子を備えるWindows PC/Mac/Chromebookをつないだ場合は、専用アプリなしで画面のタッチ操作(マルチタッチ対応)も行える。ただし、この方法を使う場合、RP03シリーズは「タッチ機能付きディスプレイ」として認識される他、画面の分割表示も行えないので注意したい。
ワイヤレス投影と一緒に使われるのが、「EZWrite Floating Tool」という注釈ツールだ。共有した画面にメモなどを書き込むことができる。
高機能なホワイトボードアプリ「EZWrite 6」も搭載されており、手書きした文字をテキストデータに変換したり、書き込んだ(描き込んだ)内容を二次元コードを使ってタブレット/スマホと共有する「クラウドホワイトボード機能」を使ったりできる。
ペン先の太さを自動認識して、それに応じて色を変えることもできる他、図形の挿入なども簡単に行える。
RP03シリーズは、BenQのデバイス管理ソリューション「DMS Cloud」に対応している。Webブラウザ経由で電子黒板を一括してリモート管理したり、アプリを更新したりできる。設置場所に出向いて1台1台設定する必要がなくなるので、管理の手間を大幅に削減できる。
また、IDとアクセスを管理する「IAM」や、アカウント管理システム「AMS」にも対応している。RP03シリーズにはNFCポートが付いており、IAMとAMSを利用することで、NFCカードをかざすことで電子黒板のログイン(利用の有効化)を行うといったことも可能だ。
Webブラウザ経由で各教室の電子黒板に対して一斉にコンテンツ配信ができるメッセージ配信システム「x-Sign Broadcast」も、校内放送に代わりに使う際に便利そうである。
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