ポータブルゲーミングPCの即売会も行われたというハイビーム「ポータブルゲーミングPCフェス」に行ってきた継続的な開催にも期待(2/4 ページ)

» 2023年05月02日 12時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]
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1台3役のすごいやつ「ONEXPLAYER 2」

 登壇者の自己紹介が一通り終わった所で、「ポータブルゲーミングPCフェス」らしくポータブルゲーミングPCの紹介が始まった。

 最初に山田代表が紹介したのは、4月15日に販売を開始したばかりの「ONEXPLAYER 2」である。

ONEXPLAYER 2 発売されたばかりの「ONEXPLAYER 2」(写真はミッドナイトブラックモデル:キーボードは別売)

 同機は、10点マルチタッチ対応の8.4型IPS液晶を搭載したポータブルゲーミングPCで、左右両側のパッド(コントローラー)を取り外せることが特徴だ。専用のカバーキーボードをポゴピンで接続すれば、Surfaceライクな2in1 PCとして使える。Microsoft Pen Protocol(MPP)2.0準拠のアクティブスタイラスペンを別途用意すれば、タブレットのように使うことも可能だ。

 加えて、USB4ポートとUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートを1基ずつ搭載しているので、外部ディスプレイに接続してデスクトップPCとして使うこともできる。“1台3役”以上に便利に使えることが何よりの魅力といえる。

ONEXPLAYER 2 ONEXPLAYER 2はパッド部分を着脱できるようにしたことが特徴である
パッドを外す パッドを外すときには、裏側のリリースボタンを押せばいい

 山田代表はONEXPLAYER 2を「新世代の到来を告げる、究極のポータブルゲーミングPC」だと説明する。パッドの着脱によって、さまざまなモードに“変身”できるからだ。

 劉記者は、ONEXPLAYER 2について「コントローラーも専用カバーキーボードも全てが有線接続なので、設定不要で自動的につながり、しかも切れることがない」と利点を解説する。

山田代表 ハイビームの山田拓郎代表は「山田ゼータ」名義で登壇した
ONEXPLAYER 2 山田代表はONEXPLAYER 2を新世代のポータブルゲーミングPCと語る

 ONEXPLAYER 2は、性能の面でも“新世代”のポータブルゲーミングPCだと山田社長は語る。搭載するAPU(GPU一体型CPU)である「Ryzen 7 6800U」は「AMDの言葉を借りると、前世代の1.5倍から2倍の(グラフィックス)性能」(山田代表)を備えるからだ。

 山田社長によると、ONEXPLAYER 2を購入した人から「5年前に買った『GeForce GTX 1080』と同等のスコアが出た」という声も寄せられたという。「(ゲームによっては)グラフィックを“高”にしてもよく動き、水面のキラキラ感を味わえる。没入感も高く、ゲームを楽しんでもらえる」(山田代表)と、ONEXPLAYER 2の強みを語る。

 劉記者は「AMDのアーキテクチャ(APU)は、家庭用ゲーム機でも使われている」とその実績を補足説明していた。

ONEXPLAYER 2 ONEXPLAYER 2はポータブルゲーミングPCながら、AAAゲームも高い没入感でプレイできるという

 さらに、Ryzen 7 6800Uの内蔵GPU(Radeon 680M)は、「Radeon Super Resolution(RSR)」という超解像技術に対応している。RSRを使えば、多くのゲームタイトルをアップスケール表示して、よりキレイな画面で楽しめる。LPDDR5X規格のメモリを使うことで、グラフィックス機能のパフォーマンスも底上げされていることも魅力だ。

 ONEXPLAYER 2のディスプレイは、ポータブルゲーミングPCとしては大きめの8.4型である。本体は大きくなるものの、ゲームの没入感を高められることがメリットといえる。

 大画面化については、荒木さんが「最近は、特にアドベンチャー系のゲーム画面に表示される字幕が細かくなっており、“なんとかデック”だと読むのが厳しかった。多いのはありがたい」とコメントしていた。

ONEXPLAYER 2 ONEXPLAYER 2は、ポータブルゲーミングPCとしては大きめの8.4型ディスプレイを備える。最大解像度も2560×1600ピクセルと高めだ

 ONEXPLAYER 2は、音響にも力を入れている。デュアルステレオスピーカーはHarman(ハーマン)の監修を受けたもので、単体でも臨場感のある音質を実現し、没入感のあるゲーム体験ができるという。「音楽プレイヤーや動画再生などでも楽しめる」(山田代表)レベルだ。

 このことについて、劉記者が「そうそう、だから仕事中にAmazonプライム・ビデオを結構見たりしています」とコメントすると、荒木さんから「仕事してください」と突っ込まれる場面もあった。

ONEXPLAYER 2 大型のステレオスピーカーはHarmanの監修を受けており、ゲーム以外にも音楽や動画なども臨場感をもって楽しめる

 ポータブルゲーミングPCメーカーが、最も注力している部位は「パッド」だ。中でもジョイスティックについては、各社が部材の調達からチューニングまでこだわっている。

 この点は、ONEXPLAYER 2も例外ではない。日本のアルプスアルパイン(旧アルプス電気)製のジョイスティックを採用した上で、独自のチューニングを加え、ドリフト現象の発生を極小化した上で、動作も滑らかになっているという。

 その他、手の大きさにかかわらず握りやすいエルゴノミクスデザインのグリップ、ゲームを快適に行える各種ボタン、やユーティリティーアプリ「GAME CENTER」に関する説明も行われた。

 劉記者は「CPUの性能設定などは、一般的にBIOS(UEFI)のセットアッププログラムを立ち上げないと行えない。そのために(PCを)再起動させる必要があるが、ONEXPLAYER 2ならその必要がなく、手軽だ」と解説すると、山田代表も「ゲームに慣れている人であれば、各ゲームで『ここまで下げても快適に動く』というレベルを探っておき、ゲームに合わせて設定を変えてもらう、という使い方もできるだろう」と応じた。

ONEXPLAYER 2 ジョイスティックは、アルプスアルパイン製で、ONE-Netbook Technologyが独自の調整を加えた“こだわりの逸品”だ
ONEXPLAYER 2 パッドには、ゲームをより快適に楽しむためのボタンも備わっている。各種ボタンの機能はGAME CENTERでカスタマイズすることもできる

 ONEXPLAYER 2のバッテリー容量(定格値)は、約1万7100mAhと大きい。ゆえに電源設定にもよるが、連続で5時間以上のプレイも楽しめる。また、USB PD(Power Delivery)規格に準拠する100W出力のACアダプターを用意すれば、30分ほどで容量の半分近くまで充電できるので、充電のために長時間待たされるということもないという。

 山田代表によると、この製品からAPUの電圧を動的に下げることでバッテリーの駆動時間を長くする機能が搭載されているという(要設定)。ポータブルゲーミングPCの“弱点”でもある駆動時間の短さを、バッテリーの容量とソフトウェアのチューニングによって、長時間駆動を実現した格好だ。

ONEXPLAYER 2 バッテリーの容量は1万7100mAhと、ポータブルゲーミングPCとしては非常に大きい。劉記者が「(駆動時間の)ベンチマークを取るのが大変だった」と語るほどに、バッテリー駆動時間は長く確保できている

 ONEXPLAYER 2のタブレットモードでペン入力を試した三田寺さんは、「グッズデザインのラフ作成にも便利だし、スペックも高いから、これまでiPadでしていた作業が(ONEXPLAYER 2で)行える。しかも、キーボードでテキストを入力してメールの返信までできて、オールマイティだ」と、感動していた。

三田寺さん スタイラスペンを使って「すらすら描ける」と喜ぶ三田寺さん

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2024年05月09日 更新
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