さて、PCAT2のテストを当たって、筆者のメインPCで実験……する訳にも行かない。仕事で利用しているPCなので、あれやこれやと機材を入れ替えて不安定にすることは避けたいからだ。
そのため、自宅で余っている機材で「実験用PC」を構築して試すことにした。どういう構成にしようかと思案していたところ、約3年前に本誌に掲載した「お手軽ゲーミングPCの道」のために作った自作PCが眠っていることを思い出した。
当時、コスト最優先でパーツを見つくろった関係で、3年前の時点でも「型落ちパーツ」が大半を占めていたが、実験用としては悪くない。実験時点における主な仕様は以下の通りで、筆者の私物のパーツをいくつか組み込んだことで微妙にスペックが上がっている。
消費電力を測るグラフィックスカード(GPU)のラインアップは以下の通りだ。
今回の実験では、ベースのPCに装着していた「Radeon RX 570(グラフィックスメモリ4GB)」での計測を行っていない。その理由は後述する。
さて、PCAT2でグラフィックスカードの消費電力を計測するには、グラフィックスカードにライザーカードを挿して、さらにライザーカードをマザーボードに挿す必要がある。このことは、ライザーカードの高さ分だけ、グラフィックスカードがPCケースから“はみ出る”ことを意味する。
はみ出る高さは、ちょうどライザーカードの高さ分の3.5cmほどである。PCAT2のパッケージには、この「設置高が高くなってしまったグラフィックスカード」をネジ留めするための「かさ上げ用支持棒」も付属している。
ライザーカードを取り付けたグラフィックスカードをマザーボードに組み付け……ようとするのだが、一般的なPCケースだとケース側のフレームが邪魔となって固定が難しい。なので、可能であれば「ベンチ台」あるいは「まな板」とも呼ばれるオープン型のPCケースを用いるとうまく収まる。
ただ、当時の筆者宅には、実験に利用出来るのが「5万円台スト5PC」しかなかった。仕方ないので、ケースのフレームをプライヤーで“ひん曲げる”などして、ケースの開口部を拡大し、何とかライザーカードを挿した状態のグラフィックスカードを収めることができた。
ただし、この状態ではグラフィックスカードがケースから3.5cmほど突出するので、グラフィックスカードのブラケット部に実装されている映像出力端子の(HDMI端子/DisplayPort端子)の一部は、ケースのフレーム部に遮蔽(しゃへい)されるため使えなくなる。
仕方がないので、PCケースのフレームの外枠部をプライヤーでひん曲げて、開口部を拡張した。こうすることで、上方向に“浮き上がった”グラフィックスカードのブラケット部の干渉を回避できるだけのクリアランス(約3.5cm)を確保できた。この状態で見事に“使えなく”なってしまったのが、今回テストを諦めたRadeon RX 570である。このカードにライザーカードを取り付け、マザーボードに装着すると、使える映像出力端子がDVI-D端子だけになってしまう。
筆者宅にはDVI-D入力に対応する映像デバイスがなく、DVI-HDMI変換アダプタ(ケーブル)の用意もなかった。ゆえに、泣く泣くテスト対象から外すこととなった。
ベンチ台を使えば、こうしたことも起きなかったのだが、仕方がないと諦めることにする。
若干苦労はしたが、いよいよ計測アプリを起動してみようと。
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