ここからは、ベンチマークテストを通してONEXFLYの実力をチェックしていく。今回は、バッテリーテスト以外はACアダプターを接続した上で、OneXConsoleでTDPを「30W」(APUの標準設定+2W)に設定して実施した。
ONEXFLYが搭載しているRyzen 7 7840Uは、Zen 4アーキテクチャのCPUコアを8基16スレッド(3.3GHz〜5.1GHz)と、RDNA 3アーキテクチャのGPUコアを12基(2.7GHz)搭載している。参考値として、過去に筆者が実施した「ROG Ally(Ryzen Z1 Extremeモデル)」のスコアも併催する。
まず、3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」を実行した。10分間のうちに可能な限りテストを繰り返す設定を有効とした上で、最後に実行されたテストの結果は以下の通りである。
1〜2世代前のデスクトップ向けミドルレンジCPU並みのスコアが出ている。モバイル向けCPUもここまで来たかという隔世の感もある。
続いて、PCの総合ベンチマークテスト「PCMark 10」の結果を見ていこう。
実用面を考えると、いずれも必要十分なポイントを記録している。キーボードやマウス、可能であれば外付けディスプレイも用意すると、オフィスワークや簡単な写真や動画の編集も十分にこなせそうだ。
次に、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」で幾つかのテストを実行してみた。主要なテストの結果は以下の通りだ。
GPU統合型CPUとしては、かなりスコアは高い。軽量環境を想定した「Night Raid」のスコアは2万6000ポイントを超えている。タイトルや設定にもよるが、HD解像度(1280×720ピクセル)環境だけでなく、フルHD解像度(1920×1080ピクセル)でもある程度快適なプレイが望めそうだ。
Radeon 780MはRDNA 3アーキテクチャなので、ハードウェアベースのリアルタイムレイトレーシング処理に対応している。ただし、Port Royalのスコアからも分かる通り、独立GPUと比べると「おまけ」程度だと考えるべきだろう。
実際のゲームベースのベンチマークテストである「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」(FF14ベンチマーク)と、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FF15ベンチマーク)も合わせて実行した。解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)のフルスクリーンで、結果は以下の通りだ(FF14ベンチマークは平均フレームレートも併記する)。
FF14ベンチマークでは、標準品質(デスクトップPC)が6209ポイントで「やや快適」の評価となっている。ただ、ROG Allyと比べると明らかにスコアが低い。Ryzen 7 7840Uが搭載しているRadeon 780Mと、Ryzen Z1 Extermeが搭載しているGPUコア(Radeon Graphics)は仕様がおおむね同一なのだが、ここまで差が出るのは予想外だった。
解像度よりも品質、また快適さを求めるなら、解像度をHD(1280×720ピクセル)に落とせば、快適に遊べるはずだ。
超重量級のゲームタイトルは遊べるのだろうか。この辺りも気になるので試してみる。
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