これに近いところでもう1つ、部屋の照明と連動して画面が完全に消灯することも注目したい。Echo Showの場合、部屋が暗くなっても画面の照度が下がるだけで時刻などは依然表示されていたが、本製品では画面を完全に消灯するのでまぶしくない。画面上部のセンサーに手をかざせば画面が復帰するため、暗所での利用にも不自由しない。
メニュー内を探してみたところ、設定画面の「ディスプレイ・明るさ」の中に「オートディマー」「自動ウェイク」および「近接検出」という項目があり、どうやらこれが関係しているようだ。前述の「ホームコンテンツ」などと併せて、画面が適切なタイミングでオフになってくれるというのは、最初からそうあるべきではというツッコミはさておき、使っていてストレスがなく秀逸だ。
またインカメラを搭載していないのも特徴的だ。スマートディスプレイ製品のフロントカメラは、ビデオチャット用途に使うケースもあれば、顔認識によってユーザーに合ったコンテンツを表示するといった用途もあるが、本製品はそのどちらにも対応していない。そのためカメラを通じてこっそり様子を見られるという心配は無用だ。
その反面、Echo Show 15には搭載されていた、顔認識でユーザーを識別し、個人個人のスケジュールを表示する機能もなくなっているため、スケジュール表示をリクエストすると、Alexaのアカウントにひもづいたユーザーのスケジュールがいや応なしに表示される。家族で共有する場合、カレンダーは未連携のままにしておいた方がよいかもしれない。
今回は実機では検証していないが、本製品はさまざまなスマートホームデバイスを接続できるよう、多彩なプロトコルに対応している。具体的には、従来のEchoシリーズで搭載例がある(にもかかわらず対応デバイスが少ない)ZigBeeに加えて、Amazonが注力しているThread、さらに普及が始まりつつあるMatterと、全方位的に対応している。将来性という意味では、かなりのアドバンテージがあると言っていいだろう。
以上のように、本製品は画面付きEchoシリーズの中でも、スマートホームデバイスの操作に重点を置いた製品だ。同社のFireタブレットのShowモードでも近い操作は可能だったが、ベースがタブレットであるためマイク性能も低く、専用で使うにはやや無理があった。
本製品は壁に掛けて設置した上で、常時このホーム画面が表示されたままになるので、直感的な操作が行える。筆者がまさにそうなのだが、Echoの機能の中で使っているのはスマートホーム関連が中心というユーザーには確実に響く製品であり、従来のEchoとも住み分けができるだろう。不要な情報がローテーション表示されないのも、居住空間への調和という点で大きなプラスだ。
個人的にもう一声欲しかったのは税込み2万5980円という実売価格で、Echo Show 15(同2万9800円)よりもサイズが小さく、インカメラなど省かれたハードがあることを考えると、やや割高に感じられる。2万円のラインが1つの目安となるはずで、今後のセールでどこまで安くなるかにも注目したいところだ。
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