2024年もリアル開催! 創作活動のヒントが満載「CP+2024」リポート 出展は過去最大規模に(1/3 ページ)

» 2024年02月27日 14時30分 公開
[渡辺まりかITmedia]

 カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2024」が、パシフィコ横浜で開催された。COVID-19の影響で長らくリアル会場での開催を中断していたが、2023年には4年ぶりの開催が実現。そして2024年も引き続きオフライン開催となり、“アフターコロナ”の時代を改めて実感する。

 出展企業/団体数は100を超えて過去最大規模となった。本記事では、現地で見つけた注目アイテムや各社のブースを紹介する。

カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+ 2024」 カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2024」の会場となったパシフィコ横浜

ASUS製品もCP+では“光らない”が売りになる

 ASUS JAPANといえばマザーボードやグラフィックスカードといった自作PCパーツから、ゲーミングPC、ノートPC、ディスプレイ、プロジェクターなど、クリエイターにも重宝される製品を開発、販売している。

ASUS JAPANブース ASUS JAPANブース

 特にパフォーマンスの観点から、同社のゲーミングPCやゲーミング向けグラフィックスカードを愛用するクリエイターもいると思うが、ゲーミング製品特有のLEDライティング機能がクリエイティブ作業の集中を削ぐこともある。

 それを踏まえ、CP+と相性が良いと考えられるのは、ディスプレイやノートPCの領域でフォトグラファーなどを対象にした同社のクリエイター向けブランド「ProArt」だ。ProArtブランドのグラフィックスカードは、ゲーミング向けのようなハイスペックで高い冷却性がありつつも「光らない、うるさくない、集中力を削がない」仕様になっている。

光らないProArtのグラフィックスカード 高性能なGeForce RTXのグラフィックスカードだが光らない。静音性は、ある程度負荷が低くなったところでファンを止めて実現している。こうした製品の実機を間近で確認できた

 さらにASUS JAPANが今回のイベントで初展示したのは、2023年にIntelから継承した「NUC」(ナック)事業の新製品である「ASUS NUC 14 Pro Mini PC」だ。

ASUS NUC 14 Pro Mini PC ASUS NUC 14 Pro Mini PC

 CPUはCore Ultra 7/Ultra 5/Core 3、グラフィックスはIntel Arc GPU(U7/U5)またはIntel UHD Graphics(Core 3)から選択できる。

 「コンパクトなボディーに全てを凝縮しているので、デスク回りがスッキリする。他の端末を置くためのスペースも生まれる。写真編集に便利な16:10のアスペクト比で前モデルより台座が30%コンパクトになった「ProArt Display PA248CRV」と組み合わせれば、よりスッキリとした作業環境が生まれる。PCやモニターなどがバラバラに展示されている量販店と異なり、CP+ではトータルソリューションとして紹介できる」とASUS JAPANブース担当者は語っていた。

トータルソリューションを提案 ASUS JAPANブースでは、クリエイティブ活動に最適なソリューションを実際にチェックできる

撮るだけではない写真の楽しみ方を発信するエプサイトブース

 エプソン販売のCP+出展(オフライン)は5年ぶり。その間に発売した写真愛好家向けのプリンタが今回の主な出展内容だ。

エプサイトブース エプソン販売は「エプサイトブース」として出展
この5年間で発売されたプリンタ この5年間で発売されたプリンタ。深みのある黒を印刷できる「SC-PX1VL」「SC-PX1V」、エコタンク搭載の「EW-M973A3T」「EW-M873T」を展示していた

 今回の展示テーマは「写真は撮ってからが楽しい! エプサイトブースでプレミアムな楽しみを発見しよう」というもの。エプサイトはセイコーエプソンとエプソン販売が東京都千代田区に常設している「エプソンスクエア丸の内」ショールーム1階の無料ギャラリーの名称でもあるが、「写真をはじめとする、さまざまな情報を提供、発信するスペース」と位置付けているという。

 撮った写真の楽しみ方の1つに印刷するというものがあるが、写真の印刷用紙にもさまざまな種類がある。エプサイトブースでは、モノクロ、カラーの作品の印象が印刷する用紙によってどれほど変化するかをチェックできる展示も行っていた。

印刷用紙 「用紙沼」にいざなう、用紙による印刷品質の違いも展示

見比べて選べる、EIZOブース

EIZOブース EIZOブース

 EIZOも5年ぶりのCP+出展となった。その間、4モデルのディスプレイ製品を発売しており、今回は「ColorEdge CG2700X」「ColorEdge CG2700S」「ColorEdge CS2400S」「ColorEdge CS2400R」の他、既存の「ColorEdge CS2740」を展示している。

今回の展示品 EIZOブースでは、コロナ以降に発売した4モデルを展示していた。CS2740のみ既存製品だ

 CG2700XとCG2700Sはキャリブレーションセンサー内蔵の27型ディスプレイで、HDRに対応している。CG2700Xは4K(3840×2160ピクセル)、CG2700Sは2K(2560×1440ピクセル)解像度となる。

 最近の流れを受け、USB Type-Cでの映像入力もサポートした。また、ドッキングステーション機能も備えており、ギガビットイーサネット対応のLANポート、USB Standard-A×4基を搭載している。90W以上のパススルー給電にも対応しているので、ケーブル1本をMacBookなどに接続するだけで作業を始められるだろう。

 CS2400SとCS2400Rは、24.1型でアスペクト比16:10のWUXGA(1920×1200ピクセル)ディスプレイだ。両モデルの違いは表示可能な色再現域の広さ(Adobe RGBカバー率99%とsRGBカバー率100%)、最大輝度(410カンデラ毎平方mと300カンデラ毎平方m)、コントラスト比(1350:1と1000:1)だ。USB Type-C接続での入力、ドッキングステーション機能、70Wのパススルー給電などを備え、こちらもケーブル1本で作業を開始できる手軽さがある。

 「EIZOダイレクト限定の製品もあるので、量販店では見比べられない。ぜひ実物を見て、ピッタリのモニターを見つけていただきたい」(担当者)

経年劣化による違いも展示 モニターの経年劣化によって表示する色合いや品質がどれほど変化するかも表示。良いモニターを買ったからといって、いつまでも使えるわけではないのだ

左手デバイスのTourBox

 2024年1月に、いわゆる左手デバイスのエントリーモデル「TourBox Lite」(ツアーボックス ライト。以下、Lite)を発売したばかりのTourBox Techブースでは、2022年6月に国内販売を開始したBluetooth接続の多機能コントローラー「TourBox Elite」(ツアーボックス エリート。以下、Elite)とLiteの両方を展示していた。

TourBox Techのブース TourBox Techのブース

 Eliteではノブやボタン、ダイヤルなどを14個も備えており、価格は3万9960円から(カラーによって異なる)。対するLiteではコントローラーを8つに簡略化しており、接続はUSB Type-Cでの有線のみ、カラーもブラックのみで価格は1万3413円だ。

TouerBox EliteとTourBox Lite Elite(写真左)とLite(写真右)。思う存分、実機で操作感を比べられる

 Liteのリリースは、機能が多すぎて使えない(筆者のような)人向けなのかと考えていたのだが、そのようなことはなく、クリエイティブ活動をする学生たちからの「価格を抑えたものが欲しい」という要望から生まれたものだという。

 「学生さんたちの場合、イラスト制作もしたいけど、かけられるお金がそれほどあるわけではない。(機能を)シンプルにすることで、そのような人たちでも手に取ってもらえるような価格帯にした」(同社)

 TourBox Techは、Eliteに爽やかな夏をイメージさせるカラバリの「ナチュラルサマーシリーズ」や、VOCALOMAKETSとコラボした「TourBox結月ゆかり・紲星あかり」バージョンを手掛けるなど、積極的な製品展開を行っている。「今後も、新しい商品を次々と開発していきたい」(同社)と意気込みを見せていた。

TourBoxのカラバリ TourBox Eliteはホワイト、ブラック、トランスルーセントがレギュラーカラーだが、それ以外にも限定カラーモデルやコラボモデルを販売している

 なお、TourBoxはどの製品も搭載するコントロール類の形状を変えており、指先の触覚だけで判別する「ノールック操作」が可能だ。「タッチタイプするキーボードと同じです。直感的に使えるようになるはず!」と、使ってみることを勧められた。

デュアルピクセルCMOS AFを使った“お手軽3Dムービー”をキヤノンブースで体験

 毎年のように「VR元年」という言葉を使っているような気がするが、2024年は本当のVR元年になるかもしれない──そう思わせてくれたのが、キヤノンブースでの「EOS画質3D体験」コーナーだ。

キヤノンEOS画質3D体験コーナー キヤノンブースに設けられたEOS画質3D体験コーナー。プレスやVIP、インフルエンサーのみが入場できる時間帯であるにもかかわらず、順番待ちの列ができていた

 同社製品が採用する「デュアルピクセルCMOS AF」では、1つの画素を2つに分離しており、全ての画素で距離情報“も”記録している。つまり、1枚写真を撮るだけで、そこに写っている像のレンズからの距離情報も取得し、その情報を活用すれば3D画像を作れるというわけだ。

 もっとも、レンズが捉えた像の情報しか記録されないため、「裏は見えないので、お面のようなものができる」とのこと。とはいえ、EOSの高画質で2Dから3Dを作れる、しかもムービーに書き出すこともできるとのことで、体験することにした。

ポーズを決めて撮影 シャッターを切るのは1回のみ。ポーズを決めて撮影
デュアルピクセルCMOS AF 搭載のEOSで撮影した1枚の2D、しかも静止画から3Dムービーを作成できる。これは楽しい

 本機能に対応するのはキヤノンのデュアルピクセルCMOS AFを搭載する一部モデルで、ムービー書き出しアプリは現在開発中でリリースは未定とのこと。手持ちのEOSで撮った写真からかんたんに3Dムービーが作れるようになれば、写真の楽しみ方がさらに広がるに違いない。

【訂正:2024年2月27日午後9時38分 記事初出時、「対応モデルはキヤノンのデュアルピクセルCMOS AF搭載機で」としていましたが、表現をより正確に修正しました】

 手軽さといえば、いつどこでもスマホ内の画像をプリントできる「iNSPiC」シリーズや「SELPHY」シリーズのデモ展示も行われていた。

 iNSPiCは、Zero Ink Technologyを使った専用ペーパー「ZINKフォトペーパー」に熱を加えることで写真を印刷する。インクカートリッジ不要、ペーパーのみの補充で済むため手軽に写真印刷を楽しめる。プリンタのみのiNSPiC PV-223の印刷解像度は313×512dpi、レンズ付きのiNSPiC ZV-223は314×600dpiだ。

iNSPiCシリーズ iNSPiCシリーズ。手前がプリンタ機能のみのPV-223、奥にはレンズ付きZV-223が展示されている
iNSPiCで印刷 スマホに保存してある写真を印刷できるということで、iNSPiCアプリを使ってデコレーションしたものをiNSPiC PV-223でプリントアウトした。筆者は前モデルのPV-123とZV-123を持っているが、それに比べるとスマホとの接続がしやすくなっていると感じた

 SELPHYは、昇華型熱転写方式のインクフィルムカートリッジが必要だ。仕上げに特殊なフィルムによるオーバーコート仕上げを行うこともあり、画質が美しいだけでなく、キレイさを長持ちさせられるといった特徴がある。

SELPHYと同機でプリントアウトした作品 SELPHYシリーズと、同機で印刷した作品
SELPHYと同機でプリントアウトした作品 SELPHY SQUARE QX10とSELPHYシリーズで印刷した作品。細部までキレイに描写しているし、光沢が美しい。用紙はシールなので、アルバムなどに直接貼ることができる
ビデオクリエイターズラウンジ おしゃれなバー風スペースは、キヤノンの公式Instagram Canon Creator Societyが企画するビデオクリエイターズラウンジだ。日替わりで常駐するゲストクリエイターとの交流の場として使える他、CINEMA EOSなどの展示機をチェックできる
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