デュアルディスプレイであるがゆえのアイデアをASUS JAPANは提案しています。しかし、個人的にはそこまで強い魅力はないかなと感じました。もちろんこれは利用者次第かと思います。
まず、横に置いて使うデスクトップモードです。本体の向きを変えれば自動で画面の向きも変わります。本体に厚みがあるため、垂直では自立させることもできます。しかし、縦配置のデュアルスクリーンモードとは異なり、特にスタンドは内蔵していないため不安定です。
2つのディスプレイ間には段差があるため、この奥行きのズレは意外と気になりました。縦配置の場合だと段差はあまり気にならないのは面白いものですね。
本のように使えるなとは思ったのですが、重さもあるので「そこまでして使うものでは……」といったところでしょうか。
共有モードという、対面の方に向けてディスプレイの向きを変えるモードがあります。こちらもあって困るものではありませんが、相手との距離が近くなりすぎる感じがあり、使いどころに悩みます。ここはモバイルディスプレイの方が使い勝手がよさそうです。
ノートPCモードの1つとして、下画面をバーチャルキーボードとする使い方もあります。物理キーボードが不要になるので軽くできるということだと思いますが、それならば普通の軽いPCでいいのではと感じてしまいますね。
もちろんこれらは全て付加機能です。使いづらければ使わなければよいだけです。機能があって困るものではありません。
デュアルスクリーンモードに感銘を受けた私ですが、さらなる真打ちがデスクトップPCとしての利用でした。
最近はノートPCをクラムシェルモード(画面を閉じて外部ディスプレイに表示)や、PCスタンドを使ったノートPCのディスプレイ+外部ディスプレイのように、デスクトップPCのように使う方法を目にします。しかし、Zenbook Duoであれば、2画面をフル活用したトリプルディスプレイのデスクトップPCとしての使い方ができます。
この使い方が素晴らしいのは、Zenbook Duoの本体表面が全てディスプレイであり、かつ頑丈なスタンドを備えているためです。外部ディスプレイ側がUSB Type-C給電に対応していれば、Zenbook Duo自体への給電も含めてケーブル1本で完結です。デスクトップPCとしての利用であれば、お気に入りのキーボードやマウスを接続して使えばいいでしょう。
私自身、ノートPCの画面も生かそうと考えてノートPCスタンドを使ったことがあります。しかし、どうしてもノートPCのキーボード部分が邪魔です。場所も取りますし、デスクの見た目も好きではなく、結局はやめてしまいました。
手持ちのモバイルディスプレイを追加で使うということもあるのですが、なかなかいいスタンドに巡り会えていません。スタンドがスペースを取り過ぎるか、安定性がないかのどちらかなのです。
デュアルディスプレイを求めてZenbook Duoを選択するのもアリですが、デスクトップPCとしての利用まで視野にいれると、一気に“唯一”の選択肢となります。本体スペックも申し分ありません。真の意味でモバイルもデスクトップも、これ1台で実現できると感じます。
画面の広さは生産性に直結します。Zenbook Duoは、どこでも2画面を使える上に、デスクトップPCとして使う際もスマートにフル活用できます。唯一、モバイルを考えた時の「重さ」をどう判断するか、というところでしょうか。通常のノートPCとしても全く問題なく使用できる、間違いなくオススメできる1台だと感じました。
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