レノボ・ジャパンは、Next GIGA向けの学習用端末として、Windowsベースの「Lenovo 300w Education」、ChromeOSベースの「Chromebook Duet EDU G2」「Lenovo 500e Chromebook Gen 4s」を展開している。今回同社は、これら3モデルを紹介するブースを設けていた。
GIGA 1.0では、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて児童/生徒への「1人1台端末」施策を前倒して実施することになった。とにかく急いで端末を導入しなければならないということもあり、「子どもたちならではの使い方を考慮しきれなかった部分があった」と担当者は語る。このことは、同社がコロナ禍で公開した動画にも表れている。
導入後に起こった問題を踏まえて、GIGA 2.0向けに用意したモデルでは、キートップを外されにくくするための構造変更やヒンジの補強、インタフェース部分への異物挿入に対する保護設計の導入などを行っている。
GIGA 2.0向けの学習用端末のうち、コンバーティブル型の2in1形態を取るLenovo 300w EducationとLenovo 500e Chromebook Gen 4sについては、一般的な2B以上の鉛筆をスタイラスペンの代わりに使える機能を備える。これはタッチパネルに鉛筆の黒鉛に反応するチューニングを施したことで実現したという。パームリジェクション(手のひらが触れても誤動作しない機能)にも対応している。
鉛筆に反応する機能を付けたきっかけは、GIGA 1.0において児童/生徒がスタイラスペンを紛失したり壊したりすることが多かったという経緯がある。故障/紛失時には7000〜8000円でペンを買い直すことになるが、その際の費用を保護者に転嫁するケースもあれば、学校(自治体)側で自腹をきったケースもあったという。鉛筆で代用できるようにすることで、ペンの故障/紛失時の経済的負担を軽減できる。
この辺の話は、別記事に詳しいので参照してほしい。
なお、レノボではこの機能を生かす形で、先端に黒鉛を圧縮した「ハードペンシル」を提供する予定だ。ハードペンシルは「無限鉛筆」に近いもので、通常の鉛筆と比べると簡単には摩耗しないことが特徴だという。価格は1本当たり1000円弱を見込んでおり、通常のスタイラスペンよりも安価なこともメリットとなる。
両モデルのディスプレイは、Corning製の強化ガラス「Gorilla Glass 3」で保護されている。これにより、ペンを挟み込んでディスプレイを破損するというリスクを軽減できる。
USB Type-C端子を2基搭載しているのは、「充電しながら外部ディスプレイに接続する」ということはもちろんだが、「ポートが1つ壊れても、修理(マザーボードの交換)をせずに継続使用できる」というダウンタイムの極小化を狙った取り組みでもあるという。抜き差しが多いことを踏まえて、端子そのものの強化も図ったとのことだ。
マウスコンピューターのブースは、先に紹介した3社と比べると少し広めで、学習用端末としての利用も視野に入れたWindowsノートPC「MousePro T1-DAU01BK-A」とChromebook「mouse Chromebook U1-DAU01GY-A」を中心に、学校での校務利用や「パソコン教室」への導入を想定したMouseProブランドのデスクトップPC/ノートPCやiiyamaブランドの液晶ディスプレイを展示していた。
MousePro T1とmouse Chromebook U1は共にコンバーティブル型の2in1ボディーを採用しており、タブレット端末としても使いやすいことを訴求していた。「本製品は机の高さ(74〜76cm)からの落下テストに合格」する丈夫さもポイントだ。重量は構成により約1.2kg〜1.4kgで、バッテリー駆動時間は公称で10時間を実現している。
同社は「メイド・イン・ジャパン」を強くアピールしていた。長野県飯山市に自社工場を持ち、1人のスタッフが1台を最初から最後まで組み立てる生産方式を採用している。「故障率の低減に注力しており、年々減少傾向にある」と担当者は胸を張る。
同社はGIGA 1.0においてWindows端末のみ提供していた。しかし「全体的には(学習用端末として)Chromebookの方が需要が大きい」(担当者)ということで、Next GIGAを見越して2024年にChromebookをラインアップに追加した。3年間の無償保証と24時間/365日のサポート、修理は72時間以内の完了/発送を目指すなど、サポート体制にも力を入れている。
なお、Chromebookについては3月をめどに新モデルの投入を予定しているという。現行モデルでは付属のスタイラスペンの充電にUSB Type-C端子を使用しているが、導入先から「USB Type-C接続だと、細すぎてコネクターが折れることがある」とのフィードバックがあったためUSB Standard-A端子での充電に変更される見通しだ。
マウスコンピューターはインテルが推進する「Intel STEAM Lab」に参画しており、その事例紹介も行っていた。同社としてはどちらかというと校務用端末やパソコン教室に置く端末を強めに訴求したいのかもしれない
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