ベンチマークテストの結果を確認しよう。Armoury Crateユーティリティーで選べる動作モードに関しては、特に言及がない限りシステムモードは「Turbo」、GPUモードは「Ultimate」、Windows 11の電源設定は「最適なパフォーマンス」に統一した。比較対象は、直近でレビューした「ROG Strix SCAR 18 G835」と「ROG Strix SCAR 16 G635」のスコアも掲載した。
Armoury Crateユーティリティーで選べる動作モードに関しては、特に言及がない限り、システムモードは「Turbo」、GPUモードは「Ultimate」、Windows 11の電源設定「最適なパフォーマンス」に統一したCINEBENCH 2024(最低実行時間10分)のCPUスコアは1150pts、CPU(シングルコア)が121ptsだった。
比較対象はモンスター級のCore Ultra 9 275HXを搭載しているので地味に見えるが、Core Ultra 9 185Hを搭載していた先代機のスコアは、それぞれ1050pts、107ptsなので、順当に強化されている。
PCMark 10/Modern Office Battery Lifeのスコア。画面輝度最大、Armoury Crateのモード「サイレント」、GPUモード「パフォーマンス」、Windows 11電源設定「バランス」で実施したNVIDIA GeForce RTX 5090 Laptop GPU(120W)を搭載するGPUパフォーマンスはどうだろうか。3DMarkのスコアをROG Strix SCAR 18 G835と比べると、Steel Nomad(DirectX 12)で87%、Speed Way(DirectX 12 Ultimate)で84%となっており、Steel Nomad以外は5080 Laptop GPU搭載のROG Strix SCAR 16 G635よりもスコアが低い。
UL Procyon Benchmark Suitesでの画像生成AIのテスト(AI Image Generation Benchmark)、テキスト生成AIのテスト(AI Text Generation Benchmark)でもやはりROG Strix SCAR 16 G635以下のスコアであり、TGPのパフォーマンス面での影響はしっかりある。
しかし、これだけの薄型、2kg未満のフォームファクターで約2.8kgもあるROG Strix SCAR 16 G635に近い、一流の性能が出せること自体が珍しいことであり、大きな付加価値になっている。
放熱能力も十分に確保されている。Turboモードでは高負荷時はゲーミングノートPCの中でも一段と大きな音がする上に、中負荷程度でもファンがそれなりに回るためノイジーな印象は否めない。
パフォーマンスモードにすればそこまでノイジーな印象はなくなるので、高負荷時でも静音なサイレントモードも合わせて使いわければよいだろう。動作音が大きいぶん冷却はしっかりされていて、高負荷時でも手がよく触れるパームレストが熱いと感じるようなことは全くなかった。
約1.95kgで薄型のフォームファクターながら、一流のパフォーマンスを備えることに加えて、美しい有機ELディスプレイや洗練された外観、発光演出など魅力が大きい反面、TGPが120Wのため、パフォーマンス面ではその影響もある。
このフォームファクターならば、本来はアッパーミドル〜ミドルクラスのスペックを載せた方がバランスがよく、コストパフォーマンスも良くなるのだろうが、もとよりそうしたことを意識している製品ではないのだろう。
多くの人に届けたいモデルというよりは「2kg以下でできる限りのハイスペックが欲しい」というニッチなニーズに応えるモデルであり、あるいは「先進のハイスペックを薄型軽量のフォームファクターに収めた上で、しっかり放熱もできる技術力」と、それを「プロトタイプレベルではなく量産品として出荷できる開発力」をアピールするテクノロジーデモ的な性格も持つ商品だと思われる。
ASUS JAPANの直販サイト、ASUS Storeでの販売価格は73万9800円と非常に高価だ。上記のように万人向けではない製品だが、付加価値は高く、完成度も十分で、この金額を出せる人を満足させる魅力はしっかりある商品だ。
なお、ROG Zephyrus G16の2025年モデルとしては、CPUにCore Ultra 7 255H、GPUにNVIDIA GeForce RTX 5060 Laptop GPUを搭載するエントリーモデル(GU605CM-U7R5060W)も新たに追加された。こちらは直販価格で33万9800円と比較的入手しやすくなっているので、あわせて注目したい。
厚さ17mm切りでCore Ultra 9 185H×RTX 4070 LPのAI PC「ROG Zephyrus G16 (2024) 」を試す
新世代Ryzen×RTX 4060搭載で1.5kg! クリエイティブにも向く14型“映え”ハイスペックノートPC「ROG Zephyrus G14 (2024) 」を試す
“5070 Ti Laptop”を搭載した14型有機ELゲーミングノート「ROG Zephyrus G14(2025)」の実力を検証
まるでビジネスPCみたいなゲーミングノートPC、モンハンも余裕で遊べる「ASUS TUF Gaming A14」
“熱い、重い”というイメージを覆す、スタイリッシュなゲーミングノートPCが増えている GeForce RTX 4070 Laptop搭載の「OMEN Transcend 14」をチェックCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.