まさかの6万円台で上位モデルの描き味! ワコムの一体型Androidタブレット「MovinkPad 11」をプロ目線でレビューある日のペン・ボード・ガジェット(4/5 ページ)

» 2025年07月31日 12時00分 公開
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実用度チェック1:Wacom Canvas編

 さて、与太話はほどほどに、そろそろ実際に試してみて本機の感触を見ていきましょう。評価機のCLIP STUDIO PAINTはDEBUT版で、Pro版以上で使えるレイヤーが含まれたいつもの魔女さん画像は編集できません。なので、まずWacom Canvasでいろいろ楽しくやった後に、パフォーマンスチェックのためにCLIP STUDIO PAINTでも少し作業してみます。

 Wacom Canvasは機能が非常に少ないですが、鉛筆と筆の描き味はかなり良いです。特に追従性はPC+液タブで慣れた感覚より少し良いぐらいで、むしろiPad + Apple Pencilに近く感じます。

Wacom MovinkPad 11 ワコム Pro Pen 3 ペンタブレット 一体型 手頃 11.45型 傾けても一定しか太くできない鉛筆でゴシゴシ描くのは大変ですが、反応が良くて気が紛れるせいか、やれてしまいます

 お気に入りは筆です。何を描くともなくツルツル動かしているだけでも楽しいし、筆圧の使い方だけでペンのようにもマーカーのようにも、筆のようにも書けます。

Wacom MovinkPad 11 ワコム Pro Pen 3 ペンタブレット 一体型 手頃 11.45型 何か文字を書いても楽しいし、手がインクで汚れないんですよね

 ただ、機能制限にも程があるというか、移動や変形でミスをカバーしたり、別レイヤーでざっくりした手戻りの機会を作ったりできないのは、むしろ上級者向けに感じます。下の例は青鉛筆で大ラフ→消しゴムで青を薄くする→黒鉛筆で2段目ラフ、と進めたものです。ここから先は2タップでCLIP STUDIO PAINTに移して、となるでしょう。

Wacom MovinkPad 11 ワコム Pro Pen 3 ペンタブレット 一体型 手頃 11.45型 こういう手順で描くなら、便利に使えるアプリの方がいいなあ……

 これなら「最初からレイヤーと編集が使えるクリスタで便利に描けばよくね……?」というのが頭をよぎりますが、気持ち良さはこちらが上なので立場がないわけではなさそうです。

 そして、Wacom Shelfは一見シンプルでオシャレですが、一時的なフィルター機能こそあれ、分類や削除などのファイル管理機能がありません。それゆえ、描きかけですぐやめたりDoodlingしたりしただけのようなファイル、一覧に出したくないファイルなどが大量に散らばりっぱなしになります。

Wacom MovinkPad 11 ワコム Pro Pen 3 ペンタブレット 一体型 手頃 11.45型 消させて!

 アンロックしなくてもペンを画面に触れるだけで描き始められる機能は、常に新規画像になって、先に開いていた描きかけの画像が保存して閉じられてしまうのがなじめなくて、あまり使う気になりませんでした。コストに関わるとしても、顔認証か指紋認証などで楽にアンロックして自分が開いていたファイルに触れるようになっていた方がうれしいです。

 全体として、描き味や見た目のスッキリ感など光るところこそあれ、機能が絞られすぎて逆に使いこなしが難しくなっていると感じました。熟成と機能向上を願いたいところです。

実用度チェック2:CLIP STUDIO PAINT編

 いつもの魔女さん画像から大量の調整レイヤーなどを削除してDEBUT版で利用できるようにしました。軽くなったファイルなのと、自分の常用ブラシではないので直接操作感を比べることはできませんが、作業してみた印象を書いていきます。

Wacom MovinkPad 11 ワコム Pro Pen 3 ペンタブレット 一体型 手頃 11.45型 「グループ2」がキャラクターの彩色レイヤーです。1パーツほぼ1レイヤーと、かなりシンプルにしています
  • 線画や軽いブラシの遅延感はPC+液タブに近く、問題ない
  • 長辺4500ピクセルの高解像度なファイルの割には、すんなり読み込めた
  • 作業中にメモリ使用量が多いとの警告は出た
  • レイヤーグループの表示/非表示などは確かに遅いものの、我慢できないわけでもない
  • 「混色円ブラシ」はサイズ100ピクセルぐらいからモッサリ感が目立ち始めた
Wacom MovinkPad 11 ワコム Pro Pen 3 ペンタブレット 一体型 手頃 11.45型 当たり前ですが、筆圧でグラデーションも付けやすいです

 調整レイヤーや効果レイヤーを乱暴にかぶせまくらないでおくと、案外いけるんだな、という感想になりました。とはいえ実用的かというと、ブラシの重さもピンキリ、制作スタイルもピンキリなため、人によるとしか言えないです。PC+液タブで性能もメモリも食べ放題にしている作業を、全ては収容できないのも当たり前のことです。

 ラフや案出し、気軽なイラスト用途に使えるのは当然として、ガッツリ制作で実用性を得るための鍵があるとしたら解像度でしょう。基本的には作業解像度を下げると、それに二乗して計算量もメモリ負荷も下がるので、非力な端末でもどんどん実用度がアップします。

 SNSや趣味絵ならば、それほど気にせず2000ピクセルやそれ以下で描けばいいと思います。4K(3840×2160ピクセル)や印刷用などの高解像度が必要な用途でも、CLIP STUDIO PAINTには「スマートスムージング」という高性能な拡大アルゴリズムもあるので、相性が悪い画風でなければ小さめに描いて最後に拡大するというワークフローもあり得るでしょう。

 バッテリーの持ちも問題なかったです。画面輝度を50%に設定して、Wacom CanvasやCLIP STUDIO PAINTで集中して作業していると、バッテリーは時速14%ぐらいのペースで減っていきました。そもそもそんなにハイパワーなチップが搭載されているわけじゃないので、ある意味安心感があります。

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