本機はPro Pen 3が付属しています。ペンについては、もう散々書いてきたので詳細は省きますが、Cintiq Proのような高価な液タブに付属しているのと同じで、反応も良く、視界も良く、超軽い筆圧からかなり強い筆圧まで自然に拾い上げてくれる優れたペンです。
替え芯は軸の中に3本入っており、付属するのは装着済みも含めて「フェルト芯」のみです。
Cintiq Proと違ってカスタマイズパーツは付属しないため、太軸やオモリ、標準芯などが必要ならば、別途追加で入手する必要があります。
また、ワコムの一体型デバイスあるあるなのですが、ペンが前提の製品にもかかわらず運搬に適した形で装着したり収納したりする機能はありません。本機はWacom Oneシリーズ用の安価なペンもサポートしているので、予備に買っておいて常時持ち歩いてしまうのも良さそうです。
Androidタブレットとしてのスペックも見ておきましょう。
性能的には、数年前のミドルスペックAndroidぐらいです。処理が重いクリエイティブやゲーム用途には向かないものの、Web閲覧や一般的なアプリは、iPhoneやAndroid上位モデルに慣れていたら差は感じるとしても、普通にサクサク動きます。
この「Helio G99」は、1年ぐらい前の格安Androidタブレットに大量採用されたチップで、この分野を見張っている人は飽き飽きしているのもあって辛めのコメントをしがちです。
とはいえ、基本的にはタブレット端末が得意とする用途において、こんなに安く快適に動くんだ、ということで評判を上げたSoCです。メモリにも比較的余裕があるので、昔の格安タブレットや、実際は4GBなのに16GBなどと誇大表記している最近の激安タブレットのように、何をやってもモッサリ動くということはないですし、過度に心配することはないでしょう。
特にWebページの閲覧や電子書籍などでは、アンチグレア処理のおかげで画面を見やすく感じました。一方で、画像や映像の美しさを重視する用途では、画面に強い光が当たると黒浮き気味になるので照明に気を遣う必要があります。これは液タブを使うときに気を付けるべきポイントと同じです。
また、動画のDRM対応状況をチェックするアプリでは「Widevine L3」という結果が出ていました。商業系の動画サービスの利用を見込んでいる人は気を付けておくと良いでしょう。スピーカーも低音が弱くて優れているとは言いづらいので、音楽や動画を高音質で楽しみたいならBluetoothイヤフォンなどを用意するのが良いです。
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