まさかの6万円台で上位モデルの描き味! ワコムの一体型Androidタブレット「MovinkPad 11」をプロ目線でレビュー:ある日のペン・ボード・ガジェット(5/5 ページ)

» 2025年07月31日 12時00分 公開
[refeia,ITmedia]
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まとめ

 それでは、まとめていきましょう。MovinkPad 11は、Pro Pen 3の魅力をひたすら手軽に味わえるようにした一体型タブレットです。Androidを採用することでPCの煩雑さから離れられただけでなく、7万円を割り込む低価格を実現しています。

 アンチグレア画面は、画面の見やすさやタッチのサラサラ感などの優れた体験をもたらし、イラスト以外ではWeb閲覧や電子書籍などの文字を読む用途で特に快適に利用できます。

 一方で、そのための妥協も大きいです。ペン性能やディスプレイ以外はあくまでベーシックな「格安Androidタブレット」に近いです。最近は安価なチップでも多くの用途で必要十分に動けるようになっているので過度の心配は不要ですが、生体認証の欠如は、同社が近年のミッションに掲げている「クリエイターの手を止めない道具作り」という面でも喜ばしい仕様ではありません。

 これからデジタルイラストを学びたい入門者にとっては、PC接続などの煩雑さがなく、購入してすぐに一番良いペンの感触と運筆を身につけられ、追加費用なくポピュラーなアプリの使い方も学べるかなりリーズナブルな機会になります。

 既に自分の描き方やワークフローを持っていて、自分の制作スタイルを収容したいと思うならば、それなりに吟味する必要があります。仮に性能に不足を感じたとしても制作時に解像度を下げることで緩和できる可能性は高いですが、自分のおすすめは、この端末はこの端末での使い方を見つけて楽しむことです。

 一方でPC+液タブでハイレベルな制作をしているような人も、旅先でフレッシュな気持ちで案出しをしたり、オフ時間のアイデアメモなどを慣れた描き味でできたりするのはなかなかのメリットです。もしPro Pen 3機材を既に使い込んでいるならば、予備ペンを持っておくための費用を差し引いて考えられるので、より価格が折り合いやすくなるでしょう。

 

 といったところで。

 ガジェットヲタの民の血が混じっているボク個人としては、「古くないDimensityのSoCと13型とかで出たら気絶するかも……」などと考えてしまうのですが、そうすると、既に幅を利かせ過ぎている上にエコシステムも優れているiPad上位モデルと対決させられる価格帯になるかもしれません。

 対して現在のiPadベースモデルは、10年前の初代Apple Pencilにアダプターを介して接続させるという、筆圧ペン目的で買うには壊滅的とも言える微妙さです。そういう状況を見るに、その隙をつく恰好になっている本機はやはり正解なのだろうな、という気がしますね。

Wacom MovinkPad 11 ワコム Pro Pen 3 ペンタブレット 一体型 手頃 11.45型 MovinkPad 11(左)と、iPad Pro 12.9インチモデル(右)
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