さて、従来のEcho Dotと比較した場合に本製品の売りとなるのは音質の向上だ。Echo Dotは1ユニットで全音域を再生するフルレンジスピーカー仕様だったのに対し、本製品の内蔵スピーカーはツイーターとウーファーに分かれており、高音と低音をそれぞれ受け持つ設計になっている。
これは第4世代Echoを継承した仕様で、つまり大サイズの第4世代Echo相当のスピーカー性能を、小サイズのEcho Dotのボディーに詰め込んだ製品ということになる。
高音にも低音にも強いサウンドは、スマートスピーカーでの音楽再生を重視するユーザーにピッタリだろう。プレスリリースにはEcho Dot比で「約3倍の重低音を実現」とあるが、偽りはないという印象だ。
ただし、本製品と同一形状でサイズの大きいEcho Studioと比べると、当然ながらパワーは控えめだ。本製品の「音がよい」というのは、ボディーが同等サイズでフルレンジ仕様のEcho DotやEcho Popなどと比べた場合の話で、スピーカー径の差をひっくり返すほどのものではない。その点は誤解しないようにしたい。Echo Studioと異なり、空間オーディオやDolby Atmosにも非対応だ。
Amazon Musicなどクラウド経由での音楽再生と、Bluetooth接続でのスマホの音楽再生とで音量が異なるなど、既存モデルでも見られた問題は、依然として解決されていない。ユーザーレビューでは繰り返し見かける指摘なのだが、全く手が加えられていないことを考えると、あまり問題として認識されていないのかもしれない。Bluetooth接続ではステレオペア機能が使えないのも従来同様だ。
なお本製品はFire TVデバイスと組み合わせてホームシアターを構築できるAlexaホームシアター機能に対応するとされているが、現状では利用できず、後日対応予定となっている。
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