ウィルコムは3月4日、NTTドコモのFOMAネットワークを利用した法人向けのデータ通信サービス「WILLCOM CORE 3G」を3月9日にスタートすると発表した。PHS専業のウィルコムは付加サービスとして無線LANやADSLの再販は行っているが、前身のDDIポケット時代を含めて携帯電話事業に参入するのは初めて。
WILLCOM CORE 3Gは、ウィルコムがドコモから回線を借り受けるMVNO方式として提供する。その際、すでにドコモ網を使ったMVNOサービスを開始し、「b-mobile」シリーズなどでウィルコムとのMVNOサービスも行っている日本通信の設備を利用しているという。
端末はHSDPA通信に対応したネットインデックス製のUSB接続型データ端末「HX001IN」を利用。通信速度は下り最大7.2Mbps、上り最大384kbpsとなっており、従来のPHS通信は行えない。FOMA網を使うためサービスエリアは日本全国で、人口カバー率は100%となっている。端末は、6月30日まではデビューキャンペーンとして1万2600円で販売される。
料金プランは、WILLCOM CORE 3G専用となる“3Gビジネスプラン”を適用する。加入には5回線以上の法人名義で契約する必要があり、月額料金は945円(30万パケット、約36.6Mバイトまで無料)とインターネット接続料(PRIN)の525円を合算した1470円から。30万パケット以上の超過パケット通信料は0.0126円/パケット。上限額は回線数によって異なり、5〜14回線は7980円×契約回線数、15回線以上は5985円×契約回線数となる。パケット料金はグループ内で分け合え、使い切らなかった分を自動的に配分することもできる。なお3Gビジネスプランは新規加入のみで受け付け、現在のPHS回線契約からの機種変更などには対応しない。また、契約期間が2年間と設定されており、契約期間中に解約する場合は1回線につき9975円の契約解除手数料がかかる。
月額料金 | 945円(※30万パケットまで無料) |
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インターネット(PRIN)接続料 | 525円 |
超過パケット料金 | 0.0126円/パケット |
5〜14回線の上限金額 | 7980円×契約回線数 |
15回線以上の上限金額 | 5985円×契約回線数 |
ウィルコムはXGP(次世代PHS)を利用した「WILLCOM CORE」サービスを2009年10月から全国で開始する計画(試験サービスは2009年春から)だが、WILLCOM CORE 3Gはそれに先駆けて広域なカバーエリアと高いモビリティ性を生かした法人向けデータ通信サービスとして提供する。時期は未定だが、個人向けへの提供も検討しているという。
なお、今回の3G通信サービスはあくまでXGPサービスに先駆けて提供するものであり、XGPエリアの拡大により都道府県ごとにサービスを終了する場合があるという。発表時点では2012年12月末までの提供をめどとしており、XGPの本格サービス開始後にはWILLCOM CORE 3Gからのスムーズな移行プログラムを計画している。
ウィルコムは今後、さまざまな通信方式を組み合わせて提供する“総合的なデータ通信サービス企業”を目指し、同社が提供するデータ通信サービスの総称を“WILLCOM CORE”とすることでニーズにあった最適なデータ通信サービスを提供するとしている。
製品名 | HX001IN |
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接続方法 | USB2.0準拠 |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約27×88×13ミリ |
重さ | 約30グラム |
消費電流 | 約260mA(HSDPA方式、W-CDMA方式) |
カードスロット | microSDカード対応(最大2GBまで) |
対応OS | Windows 2000(SP4以降)/XP(SP2以降)/Vista(64、32bit版)、Mac OS X 10.4〜10.5.6(インテルプラットフォーム) |
対応OSはすべて日本語版 |
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