第20回 “待受画面争奪戦”の行方コンテンツ業界の底辺でイマをぼやく(2/3 ページ)

» 2009年08月21日 09時30分 公開
[トミヤマリュウタ,ITmedia]

気持ちの“モード”に合わせて待受画面を切り替えたい

 もちろん、こうした「待受系サービス」が、迷惑メールのようにユーザーに無差別で情報を送りつけているなどとはいいません。そもそも、そのサービスを利用するかどうかはユーザーの意思ですし、iコンシェルではそうしたことへの配慮として、「控えめ執事」などサービスのチューニングが随時行われています。細かなバージョンアップをし続けているサービスは、それだけで優良サービス認定できるものです。

 iコンシェルの遅延情報に関して言えば、情報受信の時間帯を、「出勤時と退社時のみ」のような形で時間設定することもできます。リテラシーの高さが求められはしますけれど、利用者の気分的なモード(ビジネス/プライベート)を時間で切り分けることによって、待受上での情報表示をコントロールできるわけです。

 ただ、それでもなお思うのは、「情報を今見たいかどうか」というその時々の選択を、ユーザーのその時々の気分において、選べるようになっていないという現在の仕組みに、ユーザーは気持ち悪さ(使い勝手というより感覚的な混乱)を感じていないのだろうかということ。

 「別に、待受画面に何が表示されていようが、見たくなければスルーすればいいじゃない。PCのデスクトップウィジェットはそう使われているわけだし」という意見も分かりますが、なんといってもケータイとPCでは画面サイズが違います。待受に現れた情報を無視しようとしても、なかなかに無視できない存在感があります。

 そこで思い出したのが、結局日本では発売されなかった「Nokia E71」です。この機種には、「ビジネス」と「パーソナル」という2つの待受画面を使い分けられる機能が搭載されています。気持ちのモードに合わせて、画面を切り替えられるわけです。もしNokia E71にiコンシェルが載っていたら、「ビジネス執事」と「パーソナル執事」を、待受画面ごと変えながら、使い分けるようになるのでしょうか。

 利用したい情報ごとに、細かな時間を設定して、表示をコントロールするよりも、こうしてバックリと、そのときの気持ちで待受画面ごと切り替えられるというほうが、個人的には使いやすいのでは?と思う次第です。

 ちなみに、ソフトバンクのモバイルウィジェットは、待受画面上でウィジェットを貼り付けられる“シート”が複数(例えば「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」では4つ)あるという概念になっていますが、こちらも使いようによっては、同じく気持ちのモードに合わせて、シート≒画面を切り替えられますよね。これもいいです。通常はウィジェットを1個置くくらいのすっきりした待受にしておいて、情報を取得したいときは、利用者の気分的なモード(ビジネス/プライベート)に合わせて、あらかじめ設定しておいた「ビジネスシート」と「プライベートシート」へ切り替えるというイメージ。これなら気持ちも情報も混乱しないように思います。

 ……ん? あれ? ちょっと待てよ。そう考えると、いつもの「待受」があって、なにかボタンを押したら「ビジネスモード」やら「パーソナルモード」やらに切り替わるっていう仕組みでもいいんじゃないかな……?。

そんなに待受画面で情報表示したいですかー!

 本件、つらつらと考えていくにつれて、いつもこの壁にたどり着いてしまうわけです。

 「待受画面上で四六時中情報表示したいかなぁ自分は。実際の使い勝手としては、見たい情報を見たいときに“画面を切り替えて見ている”のだから、何も待受画面に詳しい情報が表示されていなくてもイイんじゃないかなぁ」という壁に。

 ドコモのiコンシェルとソフトバンクのモバイルウィジェット(の情報系ウィジェット)は、待受画面上でマチキャラやアイコンなどを通じて、一部の情報を表示してはいますが、それだけで満足できる情報量ではありません。その先にある詳細情報掲載ページへと、画面を遷移させていくことになります。

 つまり、結局は待受上でなく、別の画面で情報を見ているということなんですよね。だったら、待受上での情報表示、情報アナウンスは、メール着信などと同じように、小さなアラートアイコンが出るくらいのことでもいいのでは、と思うわけです。

 繰り返しになりますけど、「だからそれは、待受に置いといて流し読みできるっていう感じで、気軽に情報を表示させられるのが良いわけじゃない?」と言われても、ケータイはPCのように画面が大きいわけじゃありませんから、なかなか流し読めないんですよね。そもそも、電波状況やバッテリー残量、時計や日付などがたくさん表示されている状態のこの小さな画面へ、iチャネルやS!速報ニュースやらのテロップに加えて、さらに情報を流しこんでいったら、「流し読み」どころか「情報の大洪水」になってしまうのではないでしょうか。

 ドコモのiウィジェットは、待受画面にウィジェットを常駐させることができませんよね。ウィジェットボタンを押して、画面を切り替えて使うという仕様になっています。JAVAでの開発という側面もあって、現状のiウィジェットは「すばやく使えるiアプリ」でしかない(あんまり立ち上げすぎると全般的にもっさりしますが)という評価が大勢で、使い勝手・UIという側面で見ても、まったくもってそのとおりだと自分も思います。

 ですが、iチャネル、iコンシェルが鎮座する現状のドコモの待受画面において、これ以上「情報の大洪水」は起こせませんから、iウィジェットを待受に常駐させようというのは無理な話だとも思うわけです。なので、この使い勝手になるのはいたしかたないなと。

 ならば、今後はどうなるのでしょか? さらに「i●●●●」という、待受画面上で動作させたい新たなサービスが登場してきたときはどうなるのでしょうか。 結局はiコンシェルも待受画面からはじき出されて、iウィジェットと同じようにボタンで呼び出すようになるのでしょうか。

 一方で、スキンのような状態で待受上にパネルが現れるau oneガジェットは、ドコモのiコンシェルやソフトバンクのモバイルウィジェットとは待受上での情報表示の仕方が大きく異なります。

Photo W63CAでau oneガジェットの「au one 新着情報ガジェット」を表示した画面

 自分はW63CAで利用させてもらっていますが、正直に言ってよく分かりません。待受画面上で新着EメールやCメール、au oneメールの確認をしたいと思えないんですよね。「ハードウェアキーのあるW63CAでは」という注釈付きではありますが、「いつものようにメールボタンを押して確認する」のと、「待受画面上で上ボタンを押して、au oneガジェットの新着Eメールを呼び出す」という操作の流れを比べたときに、どちらが快適かといわれたら、それほど変わらないのではと思うのです。

 サービスの内容というところでいうと、au oneガジェットは“ミニiアプリ”であるドコモのiウィジェットとも、ソフトバンクのモバイルウィジェットとも違い、操作性の向上に主眼が置かれていると思います。

 ただ、従来の操作性に不満があったとしても、「カレンダーとスライドショーとメールを並列に並べて左右ボタンのみの操作で選べるようにしてほしいんだよ」と、超具体的にUIの改善を望んでいたとしても、それが待受画面上で行われる必要性を、自分は感じません。これまた別の画面が立ち上がればいいじゃないですか。

 というか、現在のauケータイのGUIは、もはや画面の8割をau oneガジェットが占めているわけで、何も無理やり待ち受け画面上で展開するような設計にしなくてもいいんじゃないかと思う次第です。iウィジェットのように別画面にしたら良いのではと。

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