iPadでビジネスにイノベーションを――iPadが変えるビジネスのミライiPhoneとビジネスのミライ(2/2 ページ)

» 2010年04月05日 02時19分 公開
[手塚康夫(ジェナ),ITmedia]
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「iPad」に対応したビジネスアプリが続々登場

 iPad発売日時点でリリースされているビジネスユーザー向けiPadアプリとして代表的なものは、Appleがリリースする「Keynote」「Pages」「Numbers」、すでに殿堂入りしたといっても過言ではない情報整理ツールの「Evernote」やPDFリーダーとして有名な「GoodReader」のiPad対応版のほか、ニュース系のThe New York Timesによる「NTY Editors’ Choice」など、充分なボリュームのアプリがAppStore上で販売されている。

 iPad向けに対応予定のビジネス系のソリューションとしては、2010年2月に米IBMがiPad向けビジネスコラボレーション製品の提供を予定しているとの一部報道があり、国内でも既にコンテンツ作成・配信・閲覧サービスの「Handbook」で有名なインフォテリアがiPadへの対応を表明している。iPad発売前日の4月2日には「ITmedia」がiPad向けアプリの開発を発表しており、国内外を問わずビジネス系のiPadアプリに対する注目は多い。

iPadが語るWebのミライ「HTML5」

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 アプリだけではなく、Webにも変化の波は押し寄せている。iPad発売前日の4月2日にAppleは「iPad Ready」というiPadに対応する大手メディア等のサイト紹介ページ( http://www.apple.com/ipad/ready-for-ipad/ )を公開した。4月3日現在、以下のサイトの対応が発表されている。

CNN / Reuters / New York Times / Vimeo / Time / ESPN / Major League Baseball / Netflix / NPR / National Hockey League / The White House / Virgin America / Sports Illustrated / Flickr / People Magazine / TED / Nike / CBS / Spin / National Geographic

 ページ内では主に動画や音声の再生が可能であるという主旨の記述が多くみられるが、これは「HTML5」に準拠したサイトを構築することにより、Flashに非対応であるiPadからリッチな動画コンテンツの閲覧が可能であることを示している。筆者も実際に動作を確認したが、Flashと比較しても遜色ない動作であり、もはやFlashを意識することなく、今後は動画コンテンツの展開が可能なのではないかと感じてしまうほどだった。

 日本では4月末にiPadの発売が予定されているが、間もなく大手メディアを始めとした大企業からWebサイトの「HTML5」対応が発表されるだろう。もちろん、Flashしか表現できないコンテンツもあるが、簡単なアニメーションであれば「CSS3」や「JavaScript」による代替も可能であり、その可能性は無限大だ。

 筆者が代表を務めるジェナでは、iPhone/iPad向けのアプリ開発やWeb構築を手がけており、Webを構築する場合は全体を通してHTML5を活用するケースが多い。HTML5は動画再生機能によるリッチなコンテンツ配信の機能のみならず、ブラウザにデータベースの機能を持たせる「ローカルストレージ」機能などさまざまな機能を提供する。

 それでは、はたしてHTML5がスタンダードとなる時代は来るのだろうか。少なくとも筆者はHTML5が提供する優れた機能により、スタンダードとなる時代の到来を確信している。HTML5に関する情報は、さまざまなサイトで解説されているので、ぜひ、その素晴らしさを読者の方々にもご覧頂きたい。

iPadが変えるビジネスのミライ

 大規模なiPadの導入予定についても、発売前にも関わらず、すでにいくつか発表されている。

 4月1日にペンシルバニア州のシートンヒル大学が新入生全員にiPadとMacBookを支給するプログラムを発表し、その翌日の4月2日には日本の共愛学園前橋国際大学が全学生と教職員に対してiPod touchを配布し、順次iPadも活用すると発表した。

 iPadはノートPCに比べ、導入コストが499ドルからと非常にリーズナブルである。コストの優位性も手伝い、今後は大学だけではなく、企業への導入事例も増えるだろう。必ずやiPadがビジネスのミライを変える日が来るだろうと信じてやまない筆者も、さまざまな企業にiPadを活用したアプリ/Webやソリューションを提案したいと思っている。

プロフィール:手塚康夫

株式会社ジェナ代表取締役社長。慶応義塾大学環境情報学部在学中より複数のモバイル関連ベンチャーに参画し、2006年に株式会社ジェナを設立。創業時より法人向けモバイルソリューションに特化したコンサルティング事業を展開。2009年に法人向けiPhone総合サービスを開始し、iPhoneビジネス活用ポータル「iPhone Business Paradise」の中の人として法人向けiPhone市場の開拓に日々励む。Twitterアカウントは @iphone_business 、OneTopiのトピック「iPhoneビジネス」のキュレータも務める。


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