携帯アドレス帳をソーシャルグラフに――KDDIが「サンシャイン王国」に取り組む狙い

» 2010年09月17日 18時53分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo KDDIの高橋誠専務(左)とRekoo MediaのCEO、Patrick Liu氏

 KDDIは9月17日、ソーシャルゲーム「サンシャイン牧場」の提供元としても知られる中国のソーシャルアプリ開発会社、Rekoo MediaおよびRekoo Media Japanとの提携を発表した。3社は、10月14日から3キャリア対応のソーシャルサービス「サンシャイン王国」を提供する。同サービスの大きな特徴は、ソーシャルゲームとポータルサイトの要素を兼ね備えていること。そして、携帯電話のアドレス帳のデータをソーシャルグラフ(サービス内での他ユーザーとのつながり)に反映できることだ。

ソーシャルゲーム+ポータルサイト=サンシャイン王国


photo サンシャイン王国は、ユーザーの「王国」に建物や植物を効果的に配置して、国を発展させるゲーム。その一方で、配置した建物からWebページへとリンクするポータル機能も備える

 KDDI 代表取締役 執行役員の高橋誠専務は、サンシャイン王国を「『見える楽しさ』があるビジュアルポータルサービス」だと説明する。同サービスでは、画面に建物や草木を配置して自分だけの王国を作るというゲームが楽しめるほか、「LISMO!」や「じぶん銀行」などauの各種サービスへ遷移する建物を画面に配置して、ポータルサイトのように利用できる。当初はauサービスの建物だけが用意されているが、将来的にはAPI等を提供するなどして、KDDI以外の企業も建物を提供できるようにするという。

 サービスやデバイスの多様化に合わせて、従来のポータルサイトとは異なる新たな「タッチポイント」を創出するのが同社の狙い。「マルチデバイスで同じコンテンツを利用できるのが、今後は当たり前になる」とも考え、3キャリアのケータイ対応にとどまらず、冬にはPCや他キャリアを含めたAndroid端末にも対応する。また、RekooのCEOであるPatrick Liu氏は、サンシャイン王国のサービスを中国やアメリカなどの日本国外に広げていく考えも示した。


photophoto 王国に各種サービスへの窓口を作れる(写真=左)。対応デバイスはPC、Androidへと拡大(写真=右)

 Rekooと提携した理由として高橋氏は、Rekooが世界的にソーシャルゲームを展開する業界大手であることや、開発の速さを挙げる。「Androidの時代になって、開発のスピードがとても重要になっている。Rekooは、我々キャリアがスペックを書いて物を作っていくスピードとはまったく比較ができないスピードに対応している会社」(高橋氏)

photo Rekooの各地域での利用者。世界で利用されているFacebookでは、約1500万人がRekooのゲームを楽しんでいるという

 サンシャイン王国では、ほかの多くのソーシャルゲームと同じくアイテム課金を取り入れ、収益は3社間でレベニューシェアする。将来的には広告事業の展開も視野に入れているという。

ケータイのアドレス帳から、「リアルなソーシャルグラフ」

 ポータルサービスの展開に加え、高橋氏が重要視するのがau端末のアドレス帳と連携したソーシャルグラフの提供だ。「SNS会社のいろんな方が、『アドレス帳を使いたい』と我々にアプローチしてくる。アドレス帳は個人にとってソーシャルグラフそのもの」(高橋氏)。

photo サンシャイン王国開始時に登録されたメールアドレスとアドレス帳のメールアドレスを照合し、ソーシャルグラフに反映させる

 アドレス帳と連携できるのは現状ではauユーザーのみ。連携には、アドレス帳のデータをサーバに預けるau端末向け無料サービス「au oneアドレス帳」を活用する。サンシャイン王国を利用する際に各ユーザーが登録したメールアドレスが、au oneアドレス帳にあるメールアドレスと一致すれば、キャリアを問わず知り合いを見つけられる。また、サンシャイン王国に未登録の知り合いに、招待メールを送ることも可能だ。

 説明員によれば、ゲーム内で友達関係を結ぶかどうかは自動でも手動でも管理でき、お互いが自動にしていれば即座に友人関係が結ばれ、片方が手動にしていれば、もう片方からリクエストが飛ぶ仕組みになっているという。

 au oneアドレス帳は「数百万人」が利用しており、「サービス開始の段階から、多くのお客様がソーシャルグラフを利用できる」と、KDDI 新規ビジネス推進本部 ポータルビジネス部の江幡智広氏は語る。また、ドコモユーザーやソフトバンクユーザーに対してアドレス帳の連携サービスを提供することも「状況に応じて検討していきたい」と高橋氏は話す。「特にAndroid端末などでは、アドレス帳の連携サービスをキャリアに関わらず提供しやすい」(説明員)

 さらに、同社はソーシャルグラフを将来的にゲーム以外の分野にも活用していく考え。例えば、スポーツサポートサービス「au Smart Sports」と連携して運動履歴を共有したり、LISMO!と連携して好きな曲やアーティストを共有したりといったことができると、江幡氏は説明する。「近い将来、プラットフォームを広く開放し、コンテンツプロバイダーの皆さんとソーシャルグラフを使った事業を展開していきたい」(江幡氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月01日 更新
  1. なぜ? 楽天モバイルでMNPポイントが付与されず 「不適格」と判定された理由と6つの自己防衛策 (2026年08月30日)
  2. なぜ? Suicaが使えない「クレカ乗車・QR専用改札機」設置の意図 東京メトロに疑問をぶつけてみた (2026年08月30日)
  3. Google Pixelに搭載されるも捨てられた“革新的な機能” soliから温度センサー、最新「HiLight」への系譜 (2026年08月31日)
  4. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  5. 全プラン2000円未満でギガの無駄遣いをゼロに、楽天モバイルのサブ回線にも HISモバイル新料金の狙い (2026年08月28日)
  6. 止まらぬ中華スマホの“デカバ”進化 HONORから1万1000mAhの「X80 Pro Max」が登場 (2026年08月30日)
  7. タフネス&高機能スマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 6 Pro」が24%オフで3万円台 (2026年08月31日)
  8. 「モバイルバッテリー(借り物)を川に捨てる」という発想が信じられない (2026年08月29日)
  9. ソニーが1万9800円の有線イヤフォン発売 「心地よい低音」ではなく「正確な原音」を (2026年08月28日)
  10. 楽天モバイル販売ランキング:「OPPO Reno15 A」と「arrows We3」が初登場 2.2万円の「Galaxy A25 5G」が2位浮上【2026年7月】 (2026年08月31日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー