小説アプリを提供、書籍データ配信サイト刷新――小学館、電子書籍事業に本腰

» 2010年10月21日 15時57分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo 小学館 ネット戦略室の山本春秋氏

 「今年は電子書籍デバイスの普及元年、それぞれの長所を生かしたコンテンツ展開を計画している」――。ソフトバンクグループが開催したイベント「SoftBank Days 2010」のセッションに登場した小学館 ネット戦略室の山本春秋氏が、秋以降の同社の電子書籍コンテンツに対する取り組みを説明した。

 電子書籍自体は、すでに携帯電話を使った配信が普及しており、一定の市場が形成されているが、2010年に入ると大型ディスプレイを採用したタブレット端末や電子書籍専用端末が多数登場。携帯電話向け書籍では実現できなかったリッチなコンテンツを配信できるようになったことから、本腰を入れて電子書籍事業に取り組む企業が急増している。

 小学館も端末が出そろい始める秋以降、さまざまな新コンテンツの提供を予定している。山本氏は、「赤ちゃんからお年寄りまで幅広い層に向けた出版物を提供している強みを生かし、それぞれのデバイスの特徴に合ったコンテンツを提供する」と意気込んだ。

Photo 「いろいろなデバイスが登場しているが、だいたい、スマートフォン、スマートタブレット、電子書籍リーダーの3種に集約される」と山本氏。それぞれのデバイスが持つ特徴を生かしたコンテンツを提供する考えだ。

小説アプリを提供、電子書籍配信サイトも刷新

 雑誌コンテンツの配信については、ビューンがiPadやiPhone、携帯電話向けに提供している定額読み放題のコンテンツ配信サービス向けに「DIME」「BE-PAL」「CanCan」「女性セブン」の一部を配信中。10月末には、米ジニオが運営するiPhone、iPad、PC、Mac向けのコンテンツ配信サービス「ジニオ」向けに、DIMEの提供を開始する。単号ごとに課金する形の配信となり、本誌の80%前後のコンテンツを提供する予定。また、他の電子書籍配信プラットフォームについても、順次対応する予定だ。

Photo すでにコンテンツを配信している「ビューン」(写真=左)と、今後、DIMEの提供を予定している「ジニオ」

 コミックは、6月からiPhone/iPad向けアプリ「少年サンデーコミックス」の提供を開始。アプリ内課金で好みのタイトルを購入できるもので、ビュワーアプリのダウンロードは10万を突破したという。配信中の「うる星やつら」「名探偵コナン」「うしおととら」「MAJOR」に加え、11月末から「がんばれ元気」「帯をギュッとね!」「TO-Y」「機動警察パトレイバー」を追加。10月中には、ビッグコミックスピリッツのタイトルを同じ形で配信するアプリを提供する計画だ。配信タイトルは「美味しんぼ」「ギャラリーフェイク」「おたんこナース」「奈緒子」「ショコラ」「伝染るんです」を予定している。

Photo 少年サンデーコミックスのビュワーアプリは10万ダウンロードを突破。10月中にビッグコミックスピリッツのコミックアプリを提供する予定だ

 電子書籍は、11月中旬からアプリ版の電子書籍配信を開始し、第1弾として小池龍之介氏の「考えない練習」、LiLy氏の「11センチのピンヒール」「こぼれそうな唇(新刊)」の3タイトルをリリースする。

 書籍データの配信についても、12月をめどに自社の電子書籍販売サイト「小学館eBooks」をリニューアルオープンする計画だ。配信する書籍のフォーマットはXMDFで、さまざまなデバイスからデータをダウンロードできる仕組みを用意。オープンに合わせて約200冊の書籍データをラインアップするという。なお、iPadやiPhoneへの対応は未定としている。

 5万ダウンロードを突破した電子辞書アプリ「デジタル大辞泉」は、11月中旬にiPad版をバージョンアップ。紙の辞書のような画面デザインと使用感を追求したUIを取り入れたほか、他の辞書との連係機能を実装する。既存ユーザーは無料でアップデートが可能だ。

 また、小学館のお家芸ともいえる知育・学習コンテンツの開発にも注力する考えで、11月中旬のリリースを目指して中国語学習アプリ「いっそイラストチャイナ単語帳」を開発している。

Photo 画面をタップするとイラストが動き、ネイティブの発音を聞くことができる

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