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» 2011年11月11日 11時54分 公開

「電話番号、覚えなくなった」――3日で登録9万人、Twitter通話アプリ「OnSay」にみる通話の未来(3/3 ページ)

[山田祐介,ITmedia]
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Twitterだからこそ、“番号不要”が役立つかもしれない

 SNSのアカウントを利用した通話アプリと聞いて、カヤックの「Reengo」を思い起こす人もいるだろう。Reengoは、Facebookの友達と通話できるサービスだ。同アプリがリリースされたのは5月。OnSayの開発を続けている最中、同じ方向性を持ったアプリのリリースに、片山さんはショックを受けたという。

 ただ、一方で「Twitterだからこそ通話サービスが役立つ」というビジョンもあった。Facebookは実名登録が基本で、“リアルな知り合い”のソーシャルグラフが築かれるケースが多い。一方、Twitterは、より気軽にフォローしあい、“相手の電話番号を知らないつながり”が増えやすい。例えば、「オフ会」をするようなネット仲間との連絡には、Twitterのアカウントが役立つのではないか。そして何より、日本は世界的にもTwitterの利用が活発な国で、ユーザーも多い。そんな思いで開発を続け、サービスインにこぎつけた。

photo ウタリの荒殿さん

 ふたを開ければ予想を超える人気となったOnSayだが、ウタリの代表である荒殿生太さんにはもう1つの「意外なこと」があった。「支持してくれた層が、アーリーアダプターではなく、レイトマジョリティだった」という。サービス開始当初、TwitterでOnSayのエゴサーチをしていた荒殿さんは、女性ユーザーや、カップルでの利用とみられるツイートなどを多く見たそうだ。「暇だな、誰かOnSayして!」「帰ったらOnSayするね!」――片山さんも荒殿さん同様、“新しもの好き”とは違う雰囲気のツイートを興味深く見たという。

次の一手は、Android対応

 今後、3社はOnSayをどのように事業化していくのだろう。例えばコールセンターなど企業窓口としての利用や、課金制の通話サービスなど、収益化のためのアイデアもないわけではない。しかし、「今は(収益化を図る)時期ではない」(片山さん)という思いもあり、当面はサービス品質の向上と、Androidアプリのリリースを目指す。「Androidにも対応すれば、ユーザーは足し算ではなく掛け算で増えるかもしれない」と、片山さんは期待する。

 片山さんはライフツービッツを立ち上げる前、PC向けオンラインゲームのプロデューサーをしていたという。ARPU(ユーザーの月平均利用料)をどう上げるか、そうした施策に追われる中で、「自分が純粋に面白いと思うものを作ってみたい」という衝動にかられ、会社を設立。そして、仲間と共にOnSayを作った。

 「OnSayの開発で、3社の間にお金のやり取りは一切ないんです。同じ目標に向かって、お金の代わりに“自分たち”を持ち寄る、スウェットエクイティ(Sweat Equity)の思想で、開発を進めた」(片山さん)

 OnSayの開発拠点となっているのはウタリの事務所。新宿駅から徒歩数分の複合ビルディングの一室、22平米の小さな拠点だ。3社はそこから、OnSayというインフラを、世界に向けて広めようとしている。「海外ユーザーにあんまりアプリの存在を知ってもらえなくて。どうすればいいんでしょうね?」と笑う片山さん。OnSayの挑戦は、始まったばかりだ。

photo OnSayに関わったライフツービッツとウタリのメンバー。ウタリの開発拠点で撮影
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