5分で分かる、先週のモバイル事情――5月16日〜5月22日
5月19日、NTTドコモとソフトバンクモバイルが、2009年夏モデルのラインアップを発表。ドコモは日本初となるAndroidケータイを投入する。ネットではAppleが6月のWWDCで発表するとみられる新iPhoneに関する噂が飛び交った。
ドコモ、夏モデル発表――Androidケータイ登場
5月19日、NTTドコモが夏モデル18機種を発表した。日本初のAndroidケータイ、Snapdragon搭載のスマートフォン、上り最大5.7Mbpsの高速通信が可能なHSUPA対応モデル、10Mカメラ搭載モデル、BDレコーダー連携モデル、無線LAN対応モデル、防水モデルなど、多彩な端末が出そろった。
サービス面では、iモードブラウザの機能を大幅に拡張。ほかにもGPS機能の海外対応や機種変更時の設定情報引継ぎ対応、電池残量表示の細分化、音声入力メール機能の実装、2in1のメール機能向上、かざすだけでBluetoothのペアリングができる「iアプリタッチ」などの機能強化が図られた。
ドコモの2009年度の端末販売見通しは、前年度比2%減の1970万台とほぼ横ばいに設定。山田隆持社長は「魅力ある携帯で販売不振をカバーする」と、多様な端末で顧客のニーズをつかみ、販売数を維持する考えだ。夏モデルでは「1人1人のお客の声に応えた」といい、顧客重視の姿勢を製品に反映させた。
「安い端末が欲しい人もいる」ため、低価格モデルも引き続き投入する。「高機能な売れ筋端末は、半年で買い換えるのではなく、1年以上長く使ってもらえるようにしたい」と、端末のタイプ別に異なる販売戦略を採る方針も示した。
日本初のAndroidケータイ登場――HTC製のドコモ端末「HT-03A」
日本初となるAndroidケータイ「HT-03A」を、ドコモがリリース。発売は2009年6月下旬〜7月を予定している。
HT-03AはHTC製のAndroidケータイで、HTC Magicをベースに開発。形状はストレート型で、Windows Mobileを搭載したスマートフォンに多いPDA風なスタイルだ。iPhone 3Gのようなタッチパネル操作に対応しているほか、画面下の6つのハードウェアキーと、画面内のポインタを自在に操れるトラックボールを搭載した。メールはGmailをプッシュメールとして利用でき、iモードメールはiモード.net経由で利用することになる。
HTC Nippon代表取締役社長のデビット・コウ氏はHT-03Aを、「ドコモ、Google、HTCがの3社がコラボレ−トした、まさに“ケータイするGoogle”といえる端末だ」と紹介。この端末がモバイル市場のイノベーションを加速させる可能性があると自信を見せた。
ソフトバンクモバイル、夏モデル発表――“お父さん”が発表会デビュー
5月19日、ソフトバンクモバイルが夏モデルを発表。今回は9xxシリーズ8機種と8xxシリーズ6機種、ディズニー・モバイル端末「DM004SH」とローエンドモデルの「740SC」の音声端末16機種に、デジタルフォトフレーム「Photo Vision HW001」「Photo Vision HW001 KT」、通信モジュール内蔵のレノボ製Netbook「idea Pad S10」を加えた計19機種をラインアップした。
9xxシリーズのハイエンドモデルは、シャープ製端末が1000万画素CCDカメラを搭載する「AQUOS SHOT 933SH」、3インチの大型サブディスプレイを備える「mirumo 934SH」、8M CCDカメラ+防水対応の3代目PREMIUM「THE PREMIUM WATERPROOF 935SH」、太陽光で充電できるソーラーパネル搭載の「SOLAR HYBRID 936SH」の4機種をラインアップ。
NEC製端末は、3つのスタイルを採用した無線LAN対応モデル「931N」と、厚さ13.9ミリの高機能スリム端末「930N」、パナソニック モバイルコミュニケーションズ製端末は、2インチの大型サブディスプレイと811万画素カメラを備える“VIERAケータイ”「931P」を投入。また、Samsung電子製端末は“OMNIA”の第2弾モデル「OMNIA POP 931SC」も登場する。
サービスは、エンタテインメント系のコンテンツを、より簡単かつリッチに楽しめるサービスも開始。8ジャンル/37コースから選んだ動画をメール経由でダウンロードして閲覧できる「選べるかんたん動画」や、最新の音楽情報をメールで取得し、着うたフルを簡単にダウンロードできる「かんたんミュージック」、最大10Mバイトの大容量動画を楽しめる「ハイスペック動画機能」を提供する。
このほか、電話をかけた相手の呼び出し音に好きな音楽を設定できる「待ちうた」、無線LAN経由で最大54Mbpsの高速通信ができる「ケータイ無線LAN」、メールによる「緊急地震速報」も開始する。
発表会に登壇したソフトバンクモバイルの孫正義社長は、「今年は『インターネットマシンで何を楽しむか』。コンテンツの勝負に時代が変わってくる」としてコンテンツ重視を打ち出した春モデル発表会に続き、今回も「端末ハードもポイントだが、キーワードはコンテンツ」として新サービスの発表にも力を入れた。
発表会にはテレビCMでおなじみとなった「白戸家」の一家4人が勢ぞろい。「お父さん犬」ことカイ君は大きな発表会に出席するのは初めてで、客席に背を向け続けたり、「ワン」と不規則発言するなど、ちょっとビビり気味だった。
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新iPhoneの発売は7月17日? 噂が飛び交う
Appleが6月のWWDCで発表するとみられる新iPhoneに関する噂がネットで飛び交っている。
最新のうわさでは、新iPhoneは7月17日に発売されるという。この情報を伝えたAppleファンサイトappadvice.comは、「Appleと密接な関係がある情報筋」からの情報として、新型iPhoneには有機ELディスプレイが搭載されるとも伝えている。
同サイトが5月19日に伝えたところによれば、新モデルのストレージは32Gバイトと16Gバイト。価格は299ドルと199ドルで変わらず。320万画素カメラを搭載し、動画の撮影・編集機能を備える。そのほかFMラジオ、コンパス機能も付いている。バッテリー駆動時間は1.5倍に、RAMとCPU処理能力は2倍になるという。
また、AppleがNetbook(低価格ミニノートPC)をリリースする可能性はないが、同社は2010年前半に投入する7〜10インチのタッチスクリーン搭載タブレット型PCに取り組んでいるようだとアナリストが伝えている。
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パナモバ、au向け夏モデル投入は見送り
5月21日、パナソニック モバイルコミュニケーションズが2009年夏商戦向け携帯の新製品発表会を開催した。
新たなVIERAケータイのポイントは、「Wオープンスタイル」と「カメラ・画質」の進化だ。ディスプレイが横にも開くWオープンスタイルは初代VIERAケータイ「P905i」から継続して採用されているが、2009年夏モデルでは新たに「防水」や「大型サブディスプレイ」という特徴と組み合わせて、利用シーンの幅を広げている。また、800万画素級の撮像素子やシーン自動判別機能の「おまかせiA」を採用したカメラ、進化したフレーム補間技術を取り入れたワンセグなど、既存の機能にも磨きをかけた。
発表会では2010年度以降のグローバル市場への参入にも言及。参入の意志に変わりはなく、「具体的な検討を進めている」(モバイルターミナルビジネスユニット長 石井圭介氏)という。さらに「Androidケータイを出す予定はあるか」という記者からの問いに石井氏は、「Androidに限らず、オープンOSはさまざまに存在するが、こうしたスマートフォンの市場は今から3年後には世界レベルで年間1億台ほどの需要があるとみている。もし(端末の)単価が3万円台になれば、兆単位の市場ができる。パナソニックとしてもそうした大きな市場に向けて取り組みを進めており、具体的なプレゼンテーションをする時期がせまっているのではないか」と答え、同社製のスマートフォンが登場する可能性を示した。
また、au向け夏モデルは見送りとなったことも明らかにした。石井氏は「提案した商品が採用されるかどうかはKDDI次第であり、夏商戦については見送られた。商品の“強さ”が足りなかったと反省している」と説明している。
KDDI、CDMA 1Xの新規受付終了へ
KDDIは8月9日をもって、CDMA 1Xの新規受付とWINからの機種変更を終了すると発表した。1X専用の料金プランとして提供しているサポートプランと、専用割引サービス「ガク割」の新規受付も合わせて終了する。
CDMA 1Xは、1999年4月のcdmaOne開始以降、KDDIが提供してきた携帯電話サービス。2004年7月のピーク時には1630万契約を獲得していたが、2003年11月のCDMA 1x WIN導入以降、契約数は徐々に減少。新端末の投入も2007年秋冬モデルで終了しており、2009年4月末には680万契約となっていた。
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