つなげて、まとめる、というシンプルな図解式勉強法。今回は英語に効果的な方法を紹介します。
つなげて、まとめる、というシンプルな図解式勉強法。前回までは、その基本的なルールを紹介しましたが、今回から具体的な応用例をいくつか紹介していきたいと思います。まずは「英語」です。
語学力を高めるために、外国語の新聞を読んでいる人も多いでしょう。私も毎朝、英字の業界新聞をスマートフォンで読むようにしています。しかし、単にサラリと目を通すだけでなく、そこに現れるキーワードを関連づけて、記事の流れを図解することで、より深く各々の言葉が脳裏に刻まれます。
例えば上の図は、福島原発事故を報じた海外メディアの記事で頻繁に登場するキーワードを理解、記憶するためにまとめた図解です。
「このdisaster(災害)は、earthquake(地震)がtrigger(引き金)となり、巨大なtsunami(津波)を引き起こした。また、powerstation(発電所)は自動でshutdown(停止)したが、肝心の冷却装置がlossofpower(電源喪失)によって動かなくなり、meltdown(炉心溶融)が始まった……」
このようにキーワードを並べ、線で関連づけたり、グループでまとめることによって、全体を1つの物語として理解でき、単なる断片情報の詰め込みとしてではなく、しっかりと把握できます。
言葉を覚えるときは、目に見えるものであれば、なるべく絵や映像とセットで覚えるほうが効果的。外国語を勉強する場合も、いったん日本語に置き換えてしまうとその分、理解に時間がかかります。しかし、絵(映像)にすると認識にかかる時間を減らせます。人間の映像処理能力はスーパーコンピューターも顔負けで、映像の一部を思い出すことができれば、そのほかの部分を簡単に引っ張ってくることができるのです。
絵や映像の学習効果が高いとはいえ、キレイな絵を描くのは素人には難しいことです。しかし、重要なのはどれだけ詳細な絵を描くかではありません。覚えたいキーワードが全体のどこに位置するのか、どんな役割を担っているのかを明確にすることが目的です。ですから、細かい描き込みは不要。例えば、下の図は人間の各部位を表わす英単語を1枚のイラストに当てはめたものですが、誰でも描ける超デフォルメ画です。
図解を使ったまとめノートを作成する場合は、このように1つのテーマに関してはなるべく1つの絵や図に集約すること。図の点数が増えると記憶も分散し、全体像が把握しづらくなるので注意しましょう。
連載の内容は、2012年9月28日に発売の『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(永田豊志・著、三笠書房・刊)から一部抜粋しています。
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知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
ビジネスマンの「知的生産性の向上」をテーマに精力的に執筆・講演活動も行っている。近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』『ノート・手帳・メモが変わる絵文字の技術』(中経出版刊)、『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(三笠書房刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
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