トップ10
» 2004年02月19日 23時43分 UPDATE

Mobile Weekly Top10日立かカシオか?

最近、開発元となるメーカーのアイデンティティが失われた端末が多いように感じる。低価格かつ短期間で端末を開発するには仕方がないのかもしれないが……。

[斎藤健二,ITmedia]

Mobile Weekly Top10 2月12日〜2月18日

1位 QVGAで世界最小ボディの着せ替えケータイ「A1402S」
2位 スタイリッシュデザインの安心ケータイ〜「A5405SA」
3位 1x WIN初のメガピクセル端末「W21H」
4位 PかNか? 900iのインタフェースには注意
5位 「F900i」、携帯電話としての使い勝手を試す
6位 2006年、車は“ナイトライダー”への一歩を踏み出す
7位 VGA撮影して送信──に適した「F900i」
8位 ディテールは甘めだが、撮影画質は上々〜「A5502K」
9位 CMOSとCCDの“いいとこ取り”――松下、携帯カメラ向け新センサー
10位 F900iに関するアレコレ

 1X WIN初のメガピクセル端末「W21H」(2月16日の記事参照)。この端末の写真を見て“アレ?”と思った人も多いのではないだろうか。

 そう、日立製作所製の端末なのに、写真を見る限りカシオ計算機製の端末にそっくりなのだ。十字キー周りのデザインといい、背面のカメラ周りの部品配置といい、「A5401CA II」を彷彿とさせる。

casio1.jpg
 A5401CA II
sa_hi1.jpg
 W21H

 画像をアップにして見ると、それは確信にさえ変わってくる。例えば、日立端末のアイデンティティともいえる「気くばりスイッチ」がW21Hには見あたらない。その代わりといっては何だが、自動スクロールする「パノラマ機能」や、「カップリング撮影」「再生ズーム」「切り出しズーム」などなど、カシオ製端末のマルチメディア機能のウリ(2003年5月の記事参照)が満載されている。

 これはどういうことなのか? カシオと日立は合弁会社を設立し、共同で携帯電話のプラットフォーム開発を行う予定だが(2003年11月の記事参照)、新会社の設立は4月(2月3日の記事参照)。KDDI広報部は、W21Hについてはカシオは関係ないとコメントしている。

 確かに、昨今の携帯電話はメーカー間の協業が盛んだ。FOMAにおけるNECとパナソニックモバイルの協業例を出すまでもなく(2月17日の記事参照)、au端末でも複数のメーカーがハードやソフトのパーツを融通しあって、低コストかつ短期間で端末を開発する例がよくある。

 しかもその場合、見た目がそっくりだからといって、単なるOEM(相手先ブランドによる製品供給)とは限らない。

 例えばパナソニックモバイルのFOMAはNECのOEMではなく、両社が協業して作り上げた基本部分に、それぞれが味付けを加えてチューニングした端末だ。だからメニュー周りも操作性が少々異なるし、Javaのパフォーマンスも違う。

 au端末でも、例えば京セラの「A5305K」はソフトウェアこそ日立との関係があったが、本体の企画・開発は完全に京セラだ。

 特にau端末では、サブCPU「SH-Mobile」を巡っての協業がやりやすいという状況が考えられる。例えば「A5403CA」は、メインソフトウェアもすべてSH-Mobile上で動作させている(2003年12月の記事参照)。つまり通信方式が異なっていても、SH-Mobileを搭載すればカシオ製のソフトウェアが載せやすいということだ。

 日立は1X WIN端末を既に開発・投入している実績があり(2003年10月の記事参照)、CDMA2000 1x EV-DO周りの開発はW21Hでも日立がやっていると考えるのが順当。なかなか、外見だけでは判断できないのが最近の携帯電話だ。

 真相については、取材などを通じてできる限りお伝えしていく予定だが、ひとつだけ注意しておくべき点がある。実際に開発したメーカーがどこであれ、ユーザーの使い勝手を直接左右するインタフェースは、ソフトの供給元に依存するということ。

 その意味では、W21Hは「気くばりスイッチ」などに魅力を感じていたユーザーには期待はずれ。逆に日立製とはいえ、カシオユーザーが違和感なく乗り換えられる端末になっている可能性が高い。

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