MNP、導入してもしなくてもauの一人勝ち〜野村総研

» 2005年01月12日 17時53分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 「ナンバーポータビリティ(MNP)を、導入してもしなくてもauの一人勝ち」──野村総合研究所メディアフォーラムに登場した上級コンサルタントの北俊一氏は、4キャリアのシェア変動をこう予測した。

 左がナンバーポータビリティ導入前、右が導入後のシェア変動予測。野村総研はauが、導入前でプラス213万人、導入後で491万人と大きくシェアを伸ばすという見方だ。ドコモは導入前でマイナス115万人、導入後でマイナス395万人。2004年9月に野村総研が行った調査より

 こうした予測の背景にあるのは、2004年のキャリア動向だ。「戦略に迷いがあるかないかが影響している」(北氏)。

 auは、“シェア30%を取る”“ドコモがやれないことをやる”(2004年4月の記事参照)という明確な目標がある。これを達成するために「やるべき事をやっている」印象が強いと北氏。いち早くパケット定額制を導入し(2003年10月の記事参照)、そのインフラを生かした「EZチャンネル」(2003年10月の記事参照)や「着うたフル」を提供(2004年10月の記事参照)。ほかにも「au design project」によるデザイン端末の開発(2004年10月の記事参照)、フルブラウザ対応端末の投入(2004年10月の記事参照)、顧客サービスの充実など(2004年10月の記事参照)、チャレンジングでありながら基礎固めやブランド確立も怠らない点を高く評価した。

 ドコモは逆に「明確な目標がなく、ビジョンが見えない」と指摘。パケット定額制を導入したことによるネットワークの逼迫、大金を投じてプロモーションしたにも関わらず立ち上がらないテレビ電話など、戦略に迷いが見られる。「FOMAメインで行くといいながらPDC端末を出すなど、事業計画がころころ変わる。代理店が販売計画を立てにくい」(北氏)。

 ボーダフォンは、グローバルと日本間の軋轢がサービスや端末に影響している。「代理店の中には身売りしたり、auとの併売を始めたところもある。まずはユーザーの信頼を取り戻すことが先決」(北氏)。ただ、ドコモ出身の津田志郎氏が社長に就任、「まずは第2位を目指す」(2004年12月の記事参照)と明確なビジョンを示したことを良い兆候と見るほか、NokiaやMotorolaなど海外メーカーの参入を好材料としている(2004年9月の記事参照)。

“守るべきユーザーは誰か”が重要に

 2006年にも開始予定のナンバーポータビリティ導入を前に、各キャリアともユーザーの囲い込み策に余念がない。こうした中、キャリアが重要視すべきは“移るユーザーの質”だと北氏。「情報感度の高い人がナンバーポータビリティで動きやすいというのはある。キャリアホッピングする人は、キャリアにとっていい客ではない」(北氏)

 優良な顧客は例えば“ARPUが高い”“長期間契約している”など、顧客収支で貢献しているユーザー。「守るべきユーザーは誰なのか。優良顧客を逃さないために何をするのか」が重要だと指摘した。

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