まずは2位狙う〜新生ボーダフォン 津田体制が船出

» 2004年12月08日 23時15分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 新3G端末も発売し、新社長にも津田志郎氏が就任(8月16日の記事参照)。新生ボーダフォンは今後どんな道を進むのか。12月8日。新3Gの第1弾「702NK」の発売に合わせて、ボーダフォンの津田社長が会見を行った。

路線継承し、2位奪取がターゲット

会見当日の8日に発売した「702NK」を手に持つ津田志郎社長。以前会社との違いについて聞かれ「ドコモと比べると売り上げから社員数から違う。前の会社はかなり肥大化している印象がある」と答えた

 「3事業者の中で今は3位(12月7日の記事参照)。写メールのヒット時には、2位に非常に近づいた時期があった(4月5日の記事参照)。次の狙いは当然、2位のキャッチアップ。大事なのは反転のきっかけを作っていくこと」

 津田氏はボーダフォンの当面の目標をこう話した。J-フォンからボーダフォンへの体制の急激な変化と共に、3G展開が遅れ続けたことが、「ボーダフォンは苦しい状況にある」(津田氏)ことの原因。新3G端末の投入は始まったものの、どんな戦略で“反転”へと導くのか。

 「路線を変えるというより、継承して基盤を確保した上で発展させていきたい。これまでは主としてコスト削減の観点から経営基盤の強化を行ってきたが、今後は収入増につなげていきたい」(津田氏)

 基本的な戦略は従来と変わらない。全世界で展開するVodafoneグループの一員として、日本市場に取り組むというのは、従来からボーダフォンが話してきたことだ。津田体制になっても、現時点では抜本的な変更はない。

 「グループ全体のパワーをうまく利用する。1つは(基地局や端末の)調達コストを下げる。また各国の成功事例のデータがあるので、お互いに利用しあう」(津田氏)

 もちろん就任直後からドラスティックな変化を期待するのは難しい。津田氏がドコモで携帯事業を見てきたといっても、NTTグループと外資では企業風土も大きく異なる。「これまで(ドコモでは)はドメスティックにどっぷり浸かっていた。今は外資でカルチャーの違いは感じる。『(日本人同士なら)言わずもがな』の部分を意識してやっていかなきゃならない」(津田氏)

今後の課題は?〜番号ポータビリティに関心

 現時点で津田氏が考える、“ボーダフォンが取り組むべき課題”は何なのか。

 「新端末新料金新サービス。競争力を高めていきたいと考えている。取り組むべき優先課題の1つだ」と津田氏。

 具体的な施策には触れなかったが、「(新サービスなどには)タイミングやいくつかの環境が整わなくてはならない。(3Gの)カバレッジはいいところまできているが、屋内で他社に遅れをとっている部分がある。端末も今回はファーストステップ。今後リファインしていかなくてはいけない」と、現状の課題への認識を話した。

 ボーダフォンブランドが日本であまり強みになっていない点も、「(歴史が)短いこともあって、ボーダフォンブランドと市場とのつながりが薄いのではないかと感じている。ヒット商品、ヒットサービスが出るとブランドと結びつく。グローバルで(ブランドを)確立するとともに、ヒット商品、ヒットサービスを出していきたい」と話した。

 もう1つの課題として津田氏が挙げたのは、早ければ2006年に予定されている番号ポータビリティだ(4月1日の記事参照)。「各社工夫を凝らしている。根本はサービス向上をどう図るか、信頼をどう勝ち取るかにかかっている」と、津田氏は2006年が1つのターニングポイントであることを指摘した。

 日本市場は、番号ポータビリティだけでなく新規参入を目指す事業者も数多く(11月25日の記事参照)、競争がますます厳しくなっていく状況にある。携帯新規参入の是非を問われた津田氏は、「3事業者が寡占かというと違うと思う。周波数も分割数が増えると無駄が生じる。日本のマーケットサイズからいうと少なすぎるとは思えない」と、否定も肯定もしないコメント。新規参入事業者との協業についての質問については、「(ソフトバンクとの協業の噂を踏まえ)ずいぶん遠回しな質問ですね。協業は考えていません」とした。

プリペイド携帯への方針変わらず

 プリペイド携帯が社会的に問題視されるなか、ボーダフォンの契約者のうち11%がプリペイドユーザー(11月17日の記事参照)。これまで積極姿勢を続けてきたが、津田体制でもこの方針に変更はない。  「プリペイド比率が低いのは日本だけ。これがイレギュラー。プリペイドニーズは確実にある。“プリペイド=ダーティー”だということは、そもそもない。メニューは存続させるべき。マイナス面の問題を解決しながら、本来の良さを引き出していきたい」  料金を後で支払うか、前に支払うかの違いだけ──これが基本的な考え方だと津田氏。プリペイドでは料金回収のリスクがないため、本来料金を安くできるメカニズムだと話す。ただしプリペイドの場合、ポストペイドのようなインセンティブを乗せにくいのが問題だとした。

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